2021 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル解析と細胞系譜追跡による骨髄間質細胞の多様性と機能の解明
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20KK0356
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松下 祐樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00713827)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | 軟骨原基 / 軟骨膜 / 細胞系譜追跡 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄は成体における主な造血の場であり、骨髄に存在する骨髄間質細胞は、造血幹細胞の維持に必須な細胞として造血幹細胞ニッチを形成するのみならず、それらの細胞自身が軟骨細胞、骨芽細胞、脂肪細胞への分化能を持ついわゆる間葉系幹細胞としての性質を備えている。一方でその起源となる細胞についての詳細は明らかにされていない。基課題の成果により、骨髄間質細胞の起源として考えられている胎生期の軟骨原基やその周囲の周軟骨膜の細胞をタモキシフェン誘導性に時期特異的に標識するcreERマウスを用いることで、軟骨原基と周軟骨膜由来の細胞が成長時期により異なる様式で骨髄間質細胞へ貢献し、さらに成体骨髄における分布様式も異なることを明らかにした。本国際共同研究では、基課題を発展させるべく以下の研究をおこなった。 1)発生過程をバイアスなしで評価し、正確な生命現象の解明につなげるため、胎生期マウス全骨格系細胞を蛍光分子tdTomatoで標識し、選択的にセルソーティングして、シングルセルRNA-seq解析を行い、発生期の骨格系細胞の多様性を明らかにした。 2)上記の結果を踏まえ、新たに軟骨原基やその周囲の周軟骨膜の細胞を標識するタモキシフェン誘導性creERマウスを入手し、細胞系譜追跡をおこなった。起源の異なる細胞の成体骨髄への分化様式を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度後半から2022年度の前半に、軟骨原基細胞と傍軟骨膜細胞が成体骨髄間質細胞に分化する過程で重要なシグナル経路を見つけ出し、コンディショナルノックアウトマウスを作出し、メカニズムの詳細を解明する。現在実験進行中であり、結果の解析は帰国後に行う。
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Research Products
(4 results)