2021 Fiscal Year Research-status Report
ミオシン側の新規筋収縮制御機構に着目した、反動動作におけるクロスブリッジ動態解明
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20KK0358
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (80722644)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | ミオシン / アクチン / ミオシン制御軽鎖 / 蛍光標識 / super relaxed state |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していた2022年度後期の渡航に向けて、先方と調整を進めた。現時点では、渡航期間が2022年8月1日から2023年3月31日までの8ヶ月間となっており、ビザ取得手続きを進めている状況である。実験の詳細な計画に関しては、渡航時期が近づいたときに、その時に出来ることを踏まえて決める必要があるが、現状では当初の予定通りに、摘出筋を対象に、反動動作中のミオシン制御軽鎖の角度、すなわちミオシンヘッドの角度 (ミオシンのon・off状態) を計測する予定である。ミオシン制御軽鎖の角度変化はメカニカルストレス依存ということがわかっているため、反動動作を、様々な収縮強度で実施する予定である。本研究は、渡航先であるキングス・カレッジ・ロンドンにある機材を用いて行う実験が研究課題の中心であるが、申請者の所属大学においても実施可能な、化学的にミオシンのon、off状態を制御できる試薬Mavacamtenを用いた実験系の準備も進めた。Mavacamtenを加えることで、ミオシンをoff状態(アクチンと結合できない状態)に戻すことが出来ると考えられており、この実験系を完成させることができれば、Mavacamtenを含む状態、もしくは含まない状態間で、反動動作による筋力増強の程度を比較することで、ミオシンのon・offの切り替えが反動動作による筋力増強に貢献しているかどうかを、間接的に検証することが出来る。これを、申請者の所属機関にある顕微鏡、力学計測システムで実施出来るようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主要工程は、2022年度後期に渡航先で実施する実験実施であり、この長期間の渡航に伴う準備、および実験計画考案が、特に問題なく進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、渡航先で実験を行う。具体的な実験としては、筋細胞を抽出し、ミオシン制御軽鎖を蛍光標識し、その挙動を観察する。反動動作では、反動を使わない動作よりも大きな力が発揮できる、いいかえればミオシンフィラメントに大きなメカニカルストレスが加わる。ミオシンのon・offの切り替えの鍵は、ミオシンフィラメントへのメカニカルストレスだということを、渡航先機関の研究者が発表しており、反動動作中に大きな力が発揮出来る理由の一つとして、このミオシンのon・offの切り替えが関連している可能性があるため、これを検証する。
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