2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cryo-EM structure of the ghrelin receptor coupled to an engineered heterotrimeric G protein
Project/Area Number |
20KK0359
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
椎村 祐樹 久留米大学, 付置研究所, 助教 (40551297)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | グレリン受容体 / GPCR / 構造生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
グレリン受容体アゴニストとして唯一承認されているアナモレリンが結合したグレリン受容体ーGq複合体の立体構造を2.9オングストローム分解能で決定して、アナモレリンの結合領域を同定した。研究期間中にグレリン受容体の活性型構造が複数報告されたため、京都大学医学部のイム博士および米国Sanford研究所の増保博士と協力して、アナモレリン結合領域を含むグレリン受容体アゴニスト結合領域を抽出して、この領域に見られる一塩基多型がグレリン受容体アゴニストのシグナル活性に与える影響を調べた。その結果、ある変異体において、アゴニストの種類によってシグナル活性が変わることを見出した。研究協力者のBrian Kobilka博士との議論を踏まえて、これらのデータをまとめて論文を執筆・投稿した。ビッグデータを活用した一塩基多型とそのシグナル活性の違いを示した論文は、構造生物学分野にとどまらず幅広い層の読者を対象とするとして、査読者から好意的な評価を受けたが、立体構造解析に改善の余地があることを指摘された。そこでクライオ電子顕微鏡実験をやり直し、構造モデルの精密化によって2.7オングストローム分解能で構造を決定し直し、リガンド結合領域を新たに定義した。また分子シミュレーション (MD) を要求されたため、新たに共同研究先にアゴニスト結合時におけるグレリン受容体の動的変化の推測を依頼した。現在、MD解析待ちであるが、期限である2024年7月までに加筆して、再投稿を予定している。
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