2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21000006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20135304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 真 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10546980)
橋本 卓也 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20437198)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高性能有機触媒 / キラル相間移動触媒 / 触媒的不斉合成 / アルキル化反応 / 不斉共役付加反応 / マンニッヒ反応 / アゲラスタチンA / Ugi反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では有機触媒の性能に応じて、高性能有機塩基触媒、高性能有機酸触媒、高性能有機酸塩基複合触媒、高性能有機ラジカル触媒という四つの研究項目に分けて、高性能有機触媒の合理的なデザインを目指すとともに、これら高性能有機触媒を駆使して精密有機合成反応を開拓した。まずキラル相間移動触媒では触媒および反応系の精緻なデザインを行うことにより、これまでに前例のない四置換アレンの触媒的不斉合成が実現可能になった。また、o-ヨードアニリド類の不斉相間移動アルキル化反応を行うことにより、N-アリル化された光学活性o-ヨードアニリド類を触媒的不斉合成できた。中性条件下におけるニトロ酢酸エステルのホルムアルデヒド水溶液への不斉共役付加反応にも取り組み、高収率・高エナンチオ選択的反応を達成した。一方、ビアリール骨格を有する有機酸塩基複合触媒の反応としては、アミノスルホンアミド触媒を用いることで、高立体選択的にアルデヒドをケトンやケチミンに付加させて、不斉四置換炭素の構築に成功した。さらに、新たに開発したアミノアセトアルデヒドを求核剤としたマンニッヒ反応により、高立体選択的なvic-ジアミンの合成法を確立し、アゲラスタチンAの短段階合成に成功した。また、嵩高いアミノアルコール触媒の開発により、アクリル酸エステルを求電子剤とした触媒的不斉共役付加反応を達成した。一方、実用的な見地からシス-ジアミン構造を有するキラル有機酸塩基触媒に立体的あるいは電気的性質の異なる様々なアキラル有機酸を添加することにより、エナンチオ選択性の逆転のみならず、ジアステレオ選択性・位置選択性の逆転が起こることを見出した。光学活性ビナフチルジカルボン酸触媒の研究では、著名な古典反応であるUgi反応を、我々によって見出された非環状アゾメチンニミンという活性種を用いることにより、触媒的不斉合成へと展開することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本特別推進研究も4年目を迎え、「有機塩基触媒」、「有機酸触媒」、「有機酸塩基触媒」の創製研究では、順調に進み、数多くの成果が出ている。一方、これまでなかなか成果の出なかった「有機ラジカル触媒」の化学で興味あるデータが出始めたため、国際会議などで発表できることが可能になり、来年に期待が持てる
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Strategy for Future Research Activity |
「有機ラジカル触媒」の化学は、当初から難航が予想されていたが、ここに来てやっと新たな兆しが見えてきた。このため、最終年度には、なんとか成果につなげ、論文を発表したい。一方、「有機塩基触媒」、「有機酸触媒」、「有機酸塩基触媒」の創製研究は、順調に進んでおり、最終年度でも多くの成果が期待できる。
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Remarks |
http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/yugo/orgcat/index.html
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Research Products
(12 results)