2010 Fiscal Year Annual Research Report
MEMSと実時間TEM顕微観察によるナノメカニカル特性評価と応用展開
Project/Area Number |
21000008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90134642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 原 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70314903)
佐々木 成朗 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40360862)
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Keywords | MEMS / TEM / 第一原理計算 / ナノコンタクト / ナノハンドアイシステム / 材料劣化 / ナノ熱伝導 / ナノトライボロジー |
Research Abstract |
H21年に評価系の拡張において未着手であった極低温下での実験を可能とするホルダの開発を行い、提案したすべての研究テーマの推進を行うための評価系を整えることができた。H22年度は、電気接点劣化機構の解明、ナノ熱特性強化、繊維状ナノ材料特性評価、ナノトライボロジーに関する研究を行い、以下の研究成果を得た。 【電気接点劣化機構の解明】金対向針の間に高いバイアス電圧を印加し、対向針間の高電界や対向針接触時の高電流による影響を調べたところ、シリコン対向針に成膜した金膜が放電やジュール熱で剥離することがわかった。また、対向針間のバイアス電圧を印加せず、圧縮・引張を行ったところ、金の加工硬化により脆性向上が確認された。さらに強く圧縮・引張を行ったところ、10nmスケールの金の塊が対向針間で移動する移着現象を確認した。 【ナノ熱特性評価】シリコン対向針を接触し、シリコンナノ接点を100nm程度伸長した状態で、シリコンナノ接点を通じた熱伝導測定を行った。シリコンナノ接点において非常に高い熱伝導特性を示すことを発見した。またシリコンナノ接点の直径を変えて測定を行い、それぞれの熱伝導特性から直径依存性を確認した。 【繊維状ナノ材料特性評価】極微量分子捕獲のために、nmレベルで鋭くかつ数nmギャップを持つピンセットをメッキ法を用いて開発するも、滑らかで均一な成膜がうまくいかなかった。金のメッキ液の調整を行い、成膜条件の特定を行った。 【ナノトライボロジー】シリコンナノ接点のせん断変形のその場観察に加え、銀や金のナノ接点のせん断変形を観察することに成功した。銀や金はシリコンに比べ、せん断により接点形状は容易に変形し、せん断距離が短い領域で破断に至った。さらに計算グループがシリコンのせん断変形の塑性流動変形を計算により再現した。
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Research Products
(35 results)