2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳部位特異性の極めて高い遺伝子ノックダウンマウスの新規作製法の開発とその応用
Project/Area Number |
21200006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
城山 優治 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90456195)
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Keywords | 恐怖 / 不安 / 扁桃体 / シナプス可塑性 / Cre-loxPシステム / NMDA受容体 / プロモーター / miRNA |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、脳部位特異性が極めて高い新規遺伝子改変マウスの作製法を確立することである。その為に、2種類の遺伝子プロモーターを使用して、その組み合わせによって脳部位の特異性を高める技術を開発する。 平成23年度は、交付申請書に記載された予定どおり、Cre recombinase依存的な扁桃体特異的miRNA発現マウス(部位特異的遺伝子ノックダウンマウス)の脳内における遺伝子ノックダウンレベルの解析を継続していた。対象エリアである扁桃体は異なる細胞種が混在しており、今回のノックダウンマウスのmiRNAは扁桃体内のPrincipal Neuronに限定されている事が想定される。そのため、mRNA抽出等による分子生物学的な発現解析では、遺伝子ノックダウンされていないと想定されるInterneuronにおける発現が混じる為、ノックダウンレベルの正確な判定が困難である。現在、Principal Neuronにおけるターゲット遺伝子を対象とした電気生理学的解析によって、ノックダウンレベルの測定を継続中である。 また、PhiC31o-attP/Bシステムを導入した扁桃体特異的な遺伝子ノックアウトマウスの作成法の確立も並行して行なっている。その為に、平成22年度から23年度にかけてPhiC31o遺伝子を導入した5サブラインのトランスジェニックマウスを作製した。平成23年度はこれらマウスにおける導入遺伝子の発現解析を順次進めていた。うち3ラインまでの解析が終了しているが、導入遺伝子の発現パターンはいずれも上流プロモーターによって予想されたものとは異なっていた。現在、残り2ラインの解析を進めている途中である。 本研究計画は、従来の作製法では不可能と考えられていた脳部位特異性を実現する方法の開発を目的としている。本科研費研究種目(新学術領域研究(研究課題提案型))の目的に「確実な研究成果が見込めるとは限らないものの、当該研究課題が進展することにより、学術研究のブレークスルーをもたらす可能性のある、革新的・挑戦的な研究」とあるが、そのとおりの研究を進めてきた。成果発表はもう少し先になるが、引き続き解析を進行させ、本目的を達成させる予定である。
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Research Products
(1 results)