2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物リファインドサイコロジー定量モデルによる共感性発達に必要な臨界期環境因子解明
Project/Area Number |
21200017
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小柴 満美子 東京農工大学, 大学院・農学府, 特別研究員 (90415571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油井 邦雄 芦屋大, 臨床教育学部, 教授 (90101352)
山内 秀雄 埼玉医科大, 医学部, 教授 (10250226)
|
Keywords | 共感性発達 / 心の理論 / 脳機能モジュール / 発達障害 / エピジェネティクス / 精神生物学 / 情動機能の進化 / 臨界期学習 |
Research Abstract |
私達の精神機能は、遺伝など生前に獲得した生物基盤の下、生後に環境と相互作用し、学習することによって、エピエジェネティックに育まれる。脳機能には、母語の様に、高感受性期(臨界期)に獲得され維持されるものが知られている。私達は、精神機能発達の一部には臨界期システムが存在するのではないかと考え、発達障害など年齢依存的に顕在化する精神科症例から環境因子を想定し、動物モデルに投影して生物基盤の探索を進めている。特に、他個体間との共感性形成を軸とする社会性認知心理発達に焦点を当て、次のように研究を進めた。 生物進化を背景に段階的に検討するため、白色レグホン(雛)、および、霊長類コモンマーモセット(猿)の生後発達を対象に、同齢間で相互作用する視・聴・触覚的手がかりの環境因子制御を行った。情動機能獲得の詳細な推移を経時的に定量可視化する技術、BOUQUET(Behavior Output analysis for Quantitative Emotional state Translation)法を開発した結果、環境条件群ごとに異なる発達曲線が表現され、生後一定期間(雛は約1週間、猿は約3-4ヶ月)後に行動の質的な変化が表現された。雛では制御期間を調整し臨界期を探索した結果、前述期間の社会機能に関する高感受性が示され、機能解剖学、生化学、行動薬理学的検討からは、大脳相同領域等にモノアミン、遺伝子発現の群間差異が見出された。猿では成体まで追跡調査を行い、社会性環境の他、明暗リズム環境(都立精神医学総合研究所との共同研究)が情動発達に影響を与える可能性を示した。 また、BOUQUET法を発達障害診断に適用することを目指し、行動、生理指標及び心理尺度の相関構造を可視化し症状の特徴を識別することができた。 23年度は縦断、横断的検証を進め、BOUQUET法の有効性検証、想定臨界期後の共感性機能獲得基盤の探索を進める。
|
Research Products
(30 results)
-
-
[Journal Article] Effects of constant daylight exposure during early development on marmoset psychosocial behavior.2011
Author(s)
Senoo A, Okuya T, Sugiura Y, Mimura K, Honda Y, Tanaka I, Kodama T, Tokuno H, Yui K, Nakamura S, Usui S, Koshiba M.
-
Journal Title
Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry
Volume: (Epub ahead of print In Press)
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-