2009 Fiscal Year Annual Research Report
卵子大量調製系で探る、哺乳動物卵子のなりたちと新しい利用法
Project/Area Number |
21200018
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本多 新 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝工学基盤技術室, 客員研究員 (10373367)
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Keywords | マウス / 卵子 / 体外培養 / 体外発育 |
Research Abstract |
本研究は、世界で始めて単離されたマウス莢膜幹細胞の培養方法を改変して、そこから新生仔由来未成熟卵子を大量に調製する研究を土台として、その大量に調製できる卵子を利用した解析を展開するのが目的である。これまでの成果から、マウス未成熟卵子を体外で(且つ、顆粒膜細胞や莢膜細胞との相互作用のない裸の上体で)大量に調製することが可能となったが、最近の成果として、培養方法に工夫を施すことにより、卵子の状態を格段に改善させながら、調製した卵子を体外で発育させることが可能になった。卵子の培養はその環境がその後の実験に大きな影響を及ぼすため、本件の土台部分を構築する成果と言える。今後は非常によい状態のまま発育させることのできた卵子を用いた産仔獲得を目指す。もしも我々の実験系で調製した卵子から産仔を獲得することが可能になれば、後に続く、大量卵子を用いた研究の精度が格段に上がる。産仔になりうる卵子を用いてこそ、卵子の本質が明らかになるものと期待している。また、最近になって未成熟卵子には体細胞のリプログラム能が備わっていることが明らかになりつつある。体細胞のリプログラムは山中伸弥博士等によるiPS細胞誘導が一般的になりつつあるが、体細胞核移植クローンは卵子の細胞質を利用して体細胞をリプログラムする実験系である。体細胞核移植クローン技術による体細胞のリプログラムと、iPS細胞化によるリプログラムには質的な相違がある。前者には全能性が与えられる一方で、後者には多能性しか与えられない。そこに卵子リプログラム能の特徴が隠されていると推測している。今後は、良い状態のまま調製した大量の未成熟卵子から卵子抽出物を調製し、体細胞のリプログラム能を検討する予定である。
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