2011 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果気体の発生・吸収源の高精度分離評価を目指した同位体連続観測手法の開発
Project/Area Number |
21200030
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村山 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長 (30222433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松枝 秀和 気象研究所, 地球化学研究部, 室長 (60354552)
澤 庸介 気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (00354556)
坪井 一寛 気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (10553167)
石戸谷 重之 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (70374907)
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Keywords | 安定同位体比 / 連続測定 / 赤外吸収法 / 炭素循環 / 温室効果気体 / レーザ分光 |
Research Abstract |
本研究では、観測現場で無人連続測定が可能なレーザ光源を用いた赤外吸収法による高精度CO_2同位体連続観測手法の開発を目標とする。今年度は、装置を製作し、その性能試験を行い、装置の改良を進めた。昨年度の試験結果に基づいて決定した、同位体比測定のために適した各同位体の吸収線波長の中赤外光を射出できるDFBレーザの製作をメーカに依頼した。レーザ光の波長を高精度に制御できるように、駆動電源及び発振部温度を高精度に制御できるモジュールを製作した。光源光量の変動をモニタできる機構を装備し、光源-光学セル間の空間での光量の変動を抑えるために、空間部を真空にできる構造に改造した。さらにセル内に導入される試料流量やセル内圧力を厳密に制御できる機構を装備した。CO_2の吸収線強度が強いことを考慮して、近赤外レーザを利用した市販の同位体連続測定装置が採用しているキャビティリングダウン方式は採用せず、構造が単純な多重反射吸収方式を採用した光学セルとした。製作されたDFBレーザは、開発途上のものであり、レーザ光の波長を高速で切り替えようとすると、発振素子が故障してしまう問題が生じた。このため、低速で波長を変更して性能試験を行った。大気レベル濃度の通常のCO_2の標準ガスと ^<13>CO_2の割合が高い標準ガスを光学セルに導入して、減衰光の強度を測定し、各同位体の吸収線スペクトルを得ることができた。また、HITRANデータベースと比較することにより、同位体の吸収線を同定することができた。得られた結果より、同位体測定のために適した構成の装置を製作できたことが確認できたが、現場における高精度連続観測のためには、波長を高速に変更しても問題を生じない構造に改良されたDFBレーザを入手し、高感度測定のためにさらに光学セル内圧力を最適化すること等が、必要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)