2009 Fiscal Year Annual Research Report
標的ゲノム領域上の蛋白-RNA機能複合体解析に向けた人工染色体の活用
Project/Area Number |
21200038
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
久郷 裕之 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40225131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教 (40432603)
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Keywords | HAC / RNA結合タンパク質 / LIT1 / Xist / ゲノム / ゲノムネットワーク / 染色体 / 免疫沈降 |
Research Abstract |
HACベクターを標識し標的ゲノムローカスを搭載するための第一段階として,HAC回収用のタグ配列(LacO配列)をFRTサイトに導入することを試みた.しかし,Flp酵素を用いた部位特異的組み換えの反応が進まずにタグ配列を挿入できなかった.このような結果から,HACに導入したFRTサイトが機能していない可能性が示唆された.我々は,このシステムが機能しなかったときのバツクアップシステムとして,Multiple Gatewayシステムを搭載したHACベクターを開発し,それを出発資材にシフトすることにした.Multiple Gatewayシステムとは,組み換え酵素であるインテグラーゼにより,attB配列とattP配列で特異的に組み換えを起こし,ベクターに遺伝子を導入するシステムである.これは,複数の遺伝子をHACへ容易に搭載できるためにプロジェクト推進の効率化に寄与する重要なシステムになるものと考えられる. 一方,HACレベルの染色体DNAをHACに搭載したタグ配列から安定に回収できるどうかを検討するために,メソトレキセート(MTX)遺伝子増幅システムを利用した.このシステムは,ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)の近傍に存在する他の遺伝子も同時に増幅する特徴を生かしてLacO配列を増幅させる.そこで,dhfr欠損細胞であるCHO細胞へdhfrおよびLacO配列を導入し,MTX処理により遺伝子増幅を試み,25個の細胞クローンを同定した.HA抗体による染色体の回収率は,物理的にサイズが小さい程上がることが予想され,CHO細胞の中で最も小さな染色体にLacO配列が組み込まれた細胞クローンを選択するためにFISH解析を行った.その結果,最も小さな染色体にLacO配列が組み込まれた細胞クローンを同定した.この細胞クローンは,本研究の実用化の有無を検証するための有効な資材になることが期待される.
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