2010 Fiscal Year Annual Research Report
標的ゲノム領域上の蛋白-RNA機能複合体解析に向けた人工染色体の活用
Project/Area Number |
21200038
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
久郷 裕之 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40225131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐二 鳥取大学, 染色体工学研究センター, 助教 (40432603)
|
Keywords | HAC / LIT1 / CGG / Xist / ゲノム / ゲノムネットワーク / 染色体 / 免疫沈降 |
Research Abstract |
本年度において、巨大なDNAを含むHACをChrIP法で回収できる可能性を検討するためのパイロットスタディとしてCHO-DG44+pLacO/pMMTV-dhfr細胞を用いてLacO-LacIレポーターシステムを評価した。はじめに、CHO細胞(CHO dg44,DHFR-/-)の染色体上にDHFRおよびLacO配列をCHO染色体に導入させ、MTX処理によりLacO配列を増幅させ、FISH解析を行った。その結果、CHO細胞の染色体上にLacO配列が挿入されている細胞クローンを同定した。次に、LacI-GFPレポータープラスミドをLacOが挿入された染色体を含むCHO細胞へ導入し、抗GFP抗体によってこの染色体の回収(ChrIP)を検討した。その結果、10回の超音波処理を行い、GFP抗体によって免疫沈降後に精製したサンプルにおいて、LacOおよびDFHR領域内でPCR産物が確認された。これらのことより、LacO-LacIレポーターシステムが機能しており、LacI-GFP複合体蛋白のGFPをタグとして染色体を回収できる可能性が強く示唆された。ChIP後のPCRの結果からもかなり大きい染色体断片の回収ができたと考えられる。このことからもLacOとLacIの結合力が非常に強く、相当数のLacIがLacOに結合していることが予想された。さらに、巨大なクロマチン回収に必要なタグであるLacOリピート配列(10kbp)をintegraseの利用によりHACに搭載させた。本研究では、LacO-LacIレポーターシステムを利用したChrIP法の有効性と標的ゲノム領域を搭載させるHACを作製した。このように、本研究の目標である特定染色体領域に存在する分子群を同定するための方法の検証およびそのための重要な資材の構築に成功し、極めて重要な成果を得ることができた。
|