2009 Fiscal Year Annual Research Report
核膜の構造変化による核膜の高次構造とクロマチン機能の相関関係の解明
Project/Area Number |
21200040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大場 誠介 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (80380666)
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Keywords | 核構造 / 染色体 |
Research Abstract |
目的は、核膜構造が転写調節に関係し、多様な生命現象の制御を可能にすることを明らかにする事にある。この目的を効果的に達成するためには、核膜構造と多様な生命現象の相互作用を示すための有用なモデル因子が必要であり、幾つかの因子を用いて研究を行っている。 大熊等、埴原等によって学会発表が行われた転写因子IκB-ζは、刺激により活性化された転写因子NF-κBの作用により発現され、クロマチンの構造変化を伴って、NF-κBと共に特定の遺伝子の発現調節を行っている。我々は、IκB-ζが多様な生命現象に関係することを明らかにした。個体としての表現系としては、IκB-ζノックアウトマウスは皮膚の異常を示す。また個々の細胞レベルとしては、B細胞のシグナル伝達系に関係する事を明らかにした。刺激を起点として、クロマチンの構造変化、核内の遺伝子調節をダイナミックに行うIκB-ζは、核膜構造が多様な生命現象の制御を行う転写因子の有用なモデルの一つだと考えられたことにより、核膜構造変化に伴うIκB-ζの活性についての研究を行い、また各発表者と連携して研究を行い、学会発表を行った。 一方、大坪等によって学会発表が行われたシグナル伝達因子TAB2は、我々の研究によって、核内でIκB-ζと相互作用していること、核、細胞質間を移動すること、核内でTAB2自身の分解が行われている事が示唆された。また、クロマチンの構造変化も関係することが示唆されていることから、この因子も核膜構造変化と核内の転写調節を動的に行う有用なモデルの一つだと考えられたことにより、発表者と連携して研究を行い、学会発表を行った。 さらに、有賀等によって学会発表が行われたエストロゲン受容体との融合タンパク質を活用した活性操作系は、新規の多様な生命現象の制御を可能にする有用な実験系であり、発表者と連携して研究を行い、学会発表を行った。
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