2009 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性RNA結合リガンドを用いたRNA機能の制御
Project/Area Number |
21200042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堂野 主税 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60420395)
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Keywords | ケミカルバイオロジー / 生体認識・機能化学 / RNA / RNA結合リガンド / 光スイッチ |
Research Abstract |
平成21年度においては、これまでの研究代表者らによって得られた光応答性DNA結合分子に関する知見に基づいて、RNA結合分子および光応答性RNA分子糊を種々設計・合成し、その評価を行った。 研究代表者が近年RNAと相互作用することを見出したナフチリジン部位を4つ同一分子内に有する骨格に着目し、コンピュータモデリングによる複合体構造予測から有望な化合物群の設計を行った。それぞれ、化学合成を行ったのち、RNA二本鎖の融解温度測定、CDスペクトル、複合体のコールドイオンスプレー質量分析等によりRNAオリゴマーとの相互作用の解析を行った。その結果、カルバメート型の構造を含むナフチリジン4量体型分子が、RNAステムのGGミスマッチ配列部位に選択的に、1:1の化学量論比で結合することが明らかになった。一方で、これらRNAに結合する分子群は、中性緩衝液中でそのRNA結合活性が経時変化する特異な特性も観測され、定量的なRNA結合評価が困難であった。そこで、RNA結合分子を化学修飾することにより金属基板上に固定化し、表面プラズモン共鳴法に基づいた解析法による定量的な結合評価を試みた。その結果、合成したRNA結合分子は、標的であるGGミスマッチ含有二本鎖RNAに対して数百nMオーダーの解離定数を示し、強力なRNA結合能を有することが示された。 RNAの特定の構造、配列に結合する人工小分子の設計に関しては、これまでにほとんど報告例がなく、今後のRNA結合分子、光応答性RNA分子糊の開発に非常に有用である。
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