2009 Fiscal Year Annual Research Report
In-cell NMRによる真核細胞内蛋白質の立体構造解析法の開発
Project/Area Number |
21200044
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 教授 (80261147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣宏 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (80267955)
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Keywords | in-cell NMR / 蛋白質 / 高次構造 / 真核細胞 / ヒト培養細胞 / 分裂酵母 / 培養昆虫細胞 / アフリカツメカエル卵母細胞 |
Research Abstract |
本研究は,蛋白質が実際に機能している場である生きた真核細胞における世界初の蛋白質分子の立体構造決定を目指し,in-cell NMRを用いた新しい解析手法の開発研究を行うことを目的とする. 細胞内のMolecular Crowdingが蛋白質動態に及ぼす影響を加味した蛋白質の機能の正確な記述のためには生細胞中でのその場観察が必須である.その手段としてin-cell NMRが注目されており,様々な細胞内現象を原子分解能で解析可能であると期待されている. 研究代表者らは昨年,in-cell NMRによる大腸菌内蛋白質の高次構造解析に世界で初めて成功したが,真核細胞のin-cell NMRも,われわれの医療や創薬に直結する様々な生命現象が解析可能という点で非常に注目されている.進化しつつあるin-cell NMR測定技術の次の大きな目標として,「真核細胞」における蛋白質の立体構造解析を可能にする方法論的研究・開発を行う. H21年度の研究実績は以下の通りである.分裂酵母のin-cell NMRについては,高度好熱菌TTHA1718,連鎖球菌プロテインGB1ドメイン(GB1),ラット・カルモジュリン(CaM)のN末端およびC末端ドメインについて大量発現系を作成し,予備的なin-cell NMR測定を行った.培養昆虫細胞のin-cell NMRについては,CaMの発現系を用いて予備的なin-cell NMR測定を行った.アフリカツメガエル卵母細胞の系では,TTHA1718,GB1について新しい多次元NMR測定のための^2H/^<13>C/^<15>N標識試料を作成した.
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