2009 Fiscal Year Annual Research Report
動くアレーン遷移金属錯体が拓く触媒反応から分子コンピューティング開発まで
Project/Area Number |
21200054
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
神川 憲 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (40316021)
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Keywords | 炭素-窒素軸不斉 / アレーンクロム錯体 / 面不斉 / 立体選択的移動反応 |
Research Abstract |
本年度は、プロキラルな炭素-窒素結合を有するN-アリールアクリダンクロム錯体に対して、トルエン溶媒中で加熱還流を行うと、クロムトリカルボニル基の立体選択的な移動が起こり、その結果としてアクリダン側の2つの芳香環が非対称化されることで新たに軸不斉を誘起できることを明らかにした。その際に、クロムトリカルボニル基の移動は、アセタール置換基の存在によって初めて移動が可能となり、また、アセタール側の芳香環面に立体選択的に移動することも見出した。なお、本反応における生成物の立体化学は、X線結晶解析によって確認を行った。この反応は極めて高い選択性で進行し、対応する軸不斉を有するN-アリールアクリダンクロム錯体を合成することができた。さらに、移動した面不斉を活用して、新たな立体選択的有機合成反応を行い、軸不斉、面不斉のみならず、側鎖の中心不斉をも唯一の不斉源を移動させて活用することに成功した。このように、不斉源をリサイクルして高度な不斉環境を有する化合物を合成することができた。
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[Journal Article] Induction of one-handed helical oligo(p-benzammide)s by domino effect based on planar-axial-helical chirality relay2010
Author(s)
El-Haggar, R., Kamikawa, K., Machi, K., Ye, Z., Ishino, Y., Tsumuraya, Fujii, I.
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Journal Title
Bioorg.Med.Chem.Lett. 20
Pages: 1169-1172
Peer Reviewed
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