2009 Fiscal Year Annual Research Report
多核アルミニウム構造の分子レベル制御による新機能発現への挑戦
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21200055
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 知香 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (00360214)
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Keywords | ポリオキソメタレート / アルミニウム / 多核錯体 / 酸化触媒 / 分子状酸素 / アルコール / 単結晶X線構造解析 / 水 |
Research Abstract |
アルミニウムは、金属材料や触媒材料など様々な工業分野で利用されており、我々の生活になくてはならない元素のうちの一つである。また、地殻埋蔵量が多く安価なため、希少金属代替元素としても注目を集めている。しかしながら、固体状態で均一かつ安定なアルミニウム構造を設計・構築できないことが、その応用分野拡大の際の足枷となっている。そこで我々は、ケギン型三欠損ポリオキソメタレートおよびドーソン型-欠損ポリオキソメタレートにアルミニウム(III)イオンを組み込んだ2種類の新しい多核アルミニウム(III)錯体、K_6Na[(A-PW_9O_<34>)_2{W(OH)(OH_2)}{Al(OH)(OH_2)}{Al_2(μ-OH)_2(OH_2)_4}]・19H_2O(KNa-1)およびK_7[PW_<11>{Al(OH_2)}O_<61>]・12H_2O(K-2)の合成、構造解析を行った。キャラクタリゼーションは、単結晶X線構造解析、^31P NMR、元素分析、熱分析、FT-IR等で行った。得られた化合物KNa-1およびK-2の水溶液中でのpH依存性を検討したところ、硝酸アルミニウムでは容易に沈殿化してしまうpH4付近の弱酸性水溶液中でも多核アルミニウム構造は安定に保持できることを確認した。また、化合物KNa-1を触媒として用い、水/アルコール二相系でのベンジルアルコールの酸素酸化を行うと、100%の選択率でベンズアルデヒドが生成し、48時間後のターンオーバー数40は他のアルミニウム化合物や無置換ポリオキソメタレート(PW_<12>O_<40>^<3->)に比べ著しく高いことが分かった。
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Research Products
(3 results)