2010 Fiscal Year Annual Research Report
多核アルミニウム構造の分子レベル制御による新機能発現への挑戦
Project/Area Number |
21200055
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 知香 静岡大学, 理学部, 准教授 (00360214)
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Keywords | ポリオキソメタレート / アルミニウム錯体 / 分子モデル / ジルコノセン触媒 / メチルアルミノキサン / 酸化触媒 / アルコール / 分子状酸素 |
Research Abstract |
アルミニウムは、金属材料や触媒材料など様々な工業分野で利用されており、我々の生活になくてはならない元素のうちの一つである。また、地殻埋蔵量が多く安価なため、希少金属代替元素としても注目を集めている。しかしながら、固体状態で均一かつ安定なアルミニウム構造を設計・構築できないことが、その応用分野拡大の際の足枷となっている。我々は、昨年度合成に成功したK_6Na[(A-PW_9O_<34>)_2{W(OH)-(OH_2)}{Al(OH)(OH_2)}{Al_2(μ-OH)_2(OH_2)_4}]・<19>H_2O(KNa-1)やK_9[PW_<17>{Al(OH_2)}O_<61>]・<12>H_2O(K-2)に加えて、[(n-C_4H_9)_4N]_4H_3[α-PW_<11>{Al(OH_2)}O_<39>](TBA-3)の合成に成功した。キャラクタリゼーションは、^<31>PNMR、元素分析、熱分析、FT-IR等で行い、組成および純度を確定した。得られたTBA-3は、アルゴン雰囲気下でCp_2Zr(OSO_2CF_3)_2(THF)と反応させることで、ポリオキソメタレート骨格中の単核アルミニウムサイトとジルコニウム種との間に新たなAl-O-Zr結合を形成することが分かった。この反応で得られた新規化合物は、多量のメチルアルミノキサン(MAO)を助触媒として用いることでオレフィン重合に対して優れた活性を示すジルコノセン触媒の分子モデルとみなすことができ、反応メカニズムに対するMAOの役割の解明やMAOフリー条件下で機能する新触媒材料の開発への足掛かりとなる可能性がある。また、KNa-1やK-2は水中でのアルコールの酸素酸化に対して高選択的触媒作用を示すことも明らかにした。
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Research Products
(7 results)