2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一磁束量子素子用超高速光入出力インターフェイス開発
Project/Area Number |
21200059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川山 巌 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (10332264)
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Keywords | 光生成磁束 / 光インターフェイス / 超伝導論理回路 / 磁気光学顕微鏡 / フェムト秒パルスレーザー |
Research Abstract |
本研究では、超短パルス光およびMO効果を利用した先進的な出入力インターフェイスの開発を行い、その動作を実証することが目的である。光入力では、極短パルスレーザー光をジョセフソン接合に照射し発生した光生成磁束の動きを制御する。また、光出力部では、超伝導素子の上にガーネット薄膜を積層し、MO効果により照射したパルスレーザーの偏光面を回転させる。これにより、磁気信号を光信号として高速に取り出すことを試みる。本年度は(i)光生成磁束のダイナミクスを観測するための光応答計測システムの構築、および(ii)光出力インターフェイスを念頭に置いたレーザーMO検出システムの構築と性能評価を行った。 (i)ではフェムト秒パルスレーザーをビームスプリッターを用いて2つに分割し、ディレイステージにより2つのパルスのタイミングを制御できるようにする、ダブルパルス計測システムを構築し、ジョセフソン接合に照射することにより、その時間応答を計測した。その結果、ジョセフソン接合に電圧が生じるレーザー強度に明確な閾値が存在し、その応答時間が5ps程度であることを明らかにした。また、接合電流-電圧特性にFiskeステップを観測しそこから磁束のフロー速度を見積もることが出来た。(ii)においては、従来の磁気光学顕微鏡に比べて2~3桁高い感度を持つレーザー磁気光学顕微鏡を新に開発し、YBCO薄膜で作製したSQUIDループ中の交流磁束を観測した。その結果、磁束量子レベルの磁場強度のシグナルが1kHzで振動する様子を観察することが出来た。
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