2009 Fiscal Year Annual Research Report
泥炭湿地における大規模植林が水・熱循環および周辺環境に与える影響評価手法の構築
Project/Area Number |
21200061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甲山 治 Kyoto University, 東南アジア研究所, 准教授 (70402089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 祥子 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (10537103)
梅村 研二 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (70378909)
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Keywords | 水・熱循環 / CO2動態 / マイクロ波レーダー / 大気陸面相互作用 / バイオマスフロー |
Research Abstract |
これまで,東南アジア各地の広範な泥炭湿地林では,大規模な森林開発や土地利用の転換が図られてきた.これらは,灌漑を基盤にしたものであったため,泥炭土壌の酸性化・疲弊を招き,泥炭地の持続的な開発は未だ成功していない.また,産業造林の開発計画においても,持続的開発を目指しているがデータとしての裏付けはなく,数十年以上の長期的スケールでの持続性に関して考慮出来ないのが現状である.そこで本研究では,インドネシア・西カリマンタン州ポンティアナック近郊の泥炭湿地11万haを研究対象地として設定し,各種衛星データを用いた土地被覆解析を行なった.1地点に水・熱およびCO2フラックス観測所,周囲の1地点に簡易気象観測,および4地点に地下水位・水位計を設置し,地上における水・熱・CO2動態の計測を開始した. まずはALOS-AVNIR2(解像度:10m)およびPALSAR(解像度:12.5m)を用いて,植生分布(土地被覆分類)解析および,雨季における水面の特定を行った.これらの解析は現地受け入れ先の住友林業との共同作業で行ったものである.次に衛星画像解析より得られた植生図,標高データSRTMのGIS解析により,フラックス・気象観測所,地下水位,水質観測所の設置場所の適地検出を行った.最後に現在二次林が広がる地域を水・熱およびCO2フラックスの観測場所に設定し,地上16m付近に観測機器を設置した.これによりプランテーション開始以前の二次林から,プランテーション実施までのCO2フラックスの変化を観測することが期待される.
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