2011 Fiscal Year Annual Research Report
原形質流動を支える小胞体運動の評価法の開発とその分子機構の解明
Project/Area Number |
21200065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 晴子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特定准教授(特別推進研究) (90402776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 悦雄 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (80212299)
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Keywords | 原形質流動 / 小胞体 / ミオシン / アクチン / オルガネラ |
Research Abstract |
原形質流動は植物特異的な細胞内運動であり,その実体はミオシンがオルガネラを持ってアクチン繊維上を滑る運動と考えられている.しかし,その流動を支える分子メカニズムについては未解明な部分が多い.我々は小胞体が絶え間なく流動する現象に着目し,細胞内で最大の膜系ネットワークをもつ小胞体が原形質流動に重要な役割を果たすのではないかと考えた.この仮説を検証するために,本年度は,複数オルガネラの運動計測ソフトの開発,ならびに小胞体流動が抑制される新規変異体の解析を中心として,下記に示す知見を得た. <1.複数オルガネラの同時運動評価法の開発> さまざまなオルガネラの動きにおける小胞体流動の関与を明らかにするために,昨年度に引き続き,各オルガネラの動きを小胞体と同時に計測するソフトの開発を行った.本年度は,GFP蛍光標識した複数のオルガネラの動きを同時に捉えた時系列画像から,各オルガネラの動きを自動分類する工程について,妥当性の検証を進めた. <2.小胞体流動に関わる因子の解析> 原因タンパク質とGFPの融合タンパク質の細胞内局在観察,およびスクロース密度勾配遠心分画から,原因タンパク質は小胞体に局在することが明らかとなった.原因タンパク質は界面活性剤で処理した時のみ可溶化されることから,膜貫通領域をもつと考えられた.この変異体では小胞体が核の周辺で異常な凝集体を形成しており,さまざまなオルガネラがこの凝集体中に巻き込まれていたことから,小胞体膜タンパク質の異常が,小胞体のみならず他のオルガネラの細胞内分布に京まで影響することが示唆された.原因タンパク質の機能を調べるために,GFP融合タンパク質を用いた免疫沈降と質量分析を組合せて,相互作用分子の候補を選抜した現在,これら因子の変異体における小胞体運動の解析を進めている.
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[Journal Article] Myosin XI-dependent formation of tubular structures from endoplasmic reticulum isolated from tobacco cultured BY-2 cells2011
Author(s)
Yokota, E., Ueda, H., Hashimoto, K., Orii, H., Shimada, T., Hara-Nishimura, I., and Shimmen, T.
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Journal Title
Plant Physiol.
Volume: 156
Pages: 129-143
DOI
Peer Reviewed
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