2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の感染防御における新奇オートファジー制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
21200067
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
来須 孝光 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (50422499)
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Keywords | 植物 / 感染防御 / オートファジー / シグナル伝達 / タンパク質リン酸化 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
本研究は、オートファジー制御の上流のシグナル伝達系の解明、およびオートファジー制御による作物の自然免疫増強技術の開発が目的であり、本年度は下記の研究を進めた。 1、 Ca^<2+>/リン酸化を介したオートファジー制御機構 OsCIPK15過剰発現/発現抑制株を用いて、オートファジー動態の定量を可視化解析により試みた。その結果、予備的ではあるが、OsCIPK14/15によるオートファジー制御の可能性が示唆された。併せて、酵母two-hybrid法により、相互作用分子の選抜を進めた結果、複数の候補が単離された。現在は植物細胞内での相互作用の確認を進めている。 2、 植物の自然免疫系におけるオートファジーの動態と生理的役割 植物細胞のイメージングに最も適している、タバコBY-2細胞を利用し、オートファジー動態をリアルタイムで観察出来る実験系の構築を試みた。その結果、非常に定量的なリアルタイムモニタリング系の開発に成功した。現在、自然免疫応答を含めた多様な外部シグナルとオートファジー動態の関連性を検証している。 3、 ケミカルバイオロジーによる植物防疫剤の選抜と耐病性検定 数種の化合物に関して、多様な植物体を用いて防疫剤としての効果検証を進めた。その結果、防御関連遺伝子の誘導等の免疫増強が観察された。シロイヌナズナを利用した耐病性検定の結果、まだ予備的ではあるが、菌の増殖抑制効果も観察された。 本研究から得られた知見は、植物のオートファジー制御メカニズムの解明に貢献すると共に、新規防疫剤開発の基礎となる研究成果になると期待される。
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