2009 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素種生成酵素の網羅的解析に基づく植物ROSダイナミクス・ネットワークの解明
Project/Area Number |
21200068
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
賀屋 秀隆 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (80398825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真哉 東京理科大学, 理工学部, ポストドクトラル研究員 (80370419)
山中 拓哉 東京理科大学, 理工学部, ポストドクトラル研究員 (00422501)
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Keywords | 活性酸素種 / シグナル伝達 / 植物 / 酵素 / カルシウム / シロイヌナズナ / イネ |
Research Abstract |
光合成や呼吸の際,副次的に活性酸素種(ROS)が生成される.ROSは,きわめて反応性が高い物質で,細胞に甚大な影響を及ぼすため,植物にとっていわば毒となる物質である.ところが,生体防御応答・形態形成・環境ストレス応答など多様な生命現象の局面においてROSは積極的に生成され,シグナル物質として機能する必須の物質でもある.本研究では,積極的に生成されるROSの発生機構および生理学的意義の解明を目的として研究を進めている.これまでに,下記の点について明らかにした. 【植物rbohの網羅的機能解析】 シロイヌナズナから単離した10種のROS生成酵素AtrbohA-JとイネOsrbohBについて,ヒト培養細胞HEK293Tを用いた異種発現解析をおこなった.その結果,ほぼ全てのrbohはROS生成能を持つこと,Ca^<2+>イオノフォアであるイオノマイシン,脱リン酸化阻害剤カリクリンAにより活性化されること,さらに両者により相乗的に活性化されることを明らかにした(投稿準備中). 【Atrboh活性制御因子の単離と機能解析】 生体防御応答において機能するAtrbohD,AtrbohFの活性化制御機構を明らかにすることを目的に,AtrbohD,AtrbohFの相互作用因子の探索を試みた.酵母two-hybrid screeningにより19種の候補因子を単離した. 【Ca^<2+>-ROSシグナルネットワーク解析】 イネCa^<2+>チャネル候補因子OsMCA1は細胞膜に局在すること.OsMCA1過剰発現株,機能破壊株の解析より,低浸透圧下でのCa^<2+>上昇ならびに低浸透圧誘導性のROS生成に関与することが示唆された(投稿準備中).
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