2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド蛋白質の異常コンフォメーション伝播性の証明と早期疾患診断法への応用
Project/Area Number |
21200072
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
ポピエル ヘレナ・アキコ 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第四部, 流動研究員 (40467593)
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Keywords | 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / バイオマーカー / コンフォメーション伝播 / アミロイド |
Research Abstract |
近年、アルツハイマー病、プリオン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、異常蛋白質の構造異常・凝集が神経変性を引き起こすという共通の発症分子メカニズムが存在すると考えられるようになった。プリオン病では、異常構造プリオン蛋白質から正常構造蛋白質への異常コンフォメーションの伝播が発症に重要であると考えられているが、他の神経変性疾患で同様のメカニズムが存在するかは不明である。本研究では、1)異常構造PolyQ蛋白質から正常構造PolyQ蛋白質への異常コンフォメーションの伝播性を解明し、2)この異常コンフォメーションの伝播性を応用した試験管内シード増幅法を確立し、患者の脳脊髄液中に漏出する微量な凝集体の高感度な検出による疾患バイオマーカーを確立する。 今年度は、異常構造PolyQ蛋白質から正常構造PolyQ蛋白質への異常コンフォメーションの伝播性の証明に向けて、従来凝集体形成の検出に使用していた濁度測定法よりも感度の高い測定法を同定するため、まずチオフラビンT(ThT)アッセイを用いてThio-Q62の凝集体形成の検出を検討した。ThTアッセイで通常使用されるExcitation(Ex)450nm/Emission(Em)500nmではバックグラウンドが高く、有用な情報が得られなかった。そこで条件検討を行ったところ、Ex405/Em500ではバックグラウンドが少なく、Thio-Q62の濃度依存的なシグナルが確認できた。しかし検出感度は濁度測定法と変わらず、Thio-Q621・M程度であった。そこで次に合成PolyQペプチドを用いたFRET法の系を検討するためペプチド合成の系を立ち上げ、PolyQペプチドの合成を行っている。
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