2009 Fiscal Year Annual Research Report
コメ貯蔵蛋白オルガネラを用いる常温保存可能経口蛋白医薬の開発基礎研究
Project/Area Number |
21200073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幸 義和 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (60345030)
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Keywords | 医療福祉 / バイオテクノロジー / 免疫学 / 薬学 |
Research Abstract |
本研究の目的はイネのプロラミンのプロモーターからなる蛋白発現力セットと貯蔵蛋白抑制力セットRNAiを用いることで、目的の医療用蛋白(例:IL-10及びナノ抗体)をイネ種子胚乳細胞の1型蛋白貯蔵体表層に特異的に且つ高蓄積させることにより、経口投与される蛋白薬剤の消化酵素耐性を飛躍的にあげ、蛋白薬剤を粘膜上皮層や粘膜固有層に送達させ、腸炎や粘膜感染症に対する常温保存可能経口蛋白治療薬を開発することにある。1年目の今年はすでに構築済みであったT-DNAベクターをアグロバクテリリウムに導入し、イネカルスまたは芽に感染させることで、イネゲノムに目的のヒトIL10とサルロタウイルス(RRV)のVP4/7に対するナノ抗体VHH1(ラクダの1本鎖重鎖抗体の超可変部分を含むパラトープ部分)遺伝子を導入した。イネカルスは選択培地処理後、再分化培地処理を行い、PCRで遺伝子導入を確認しP1種子を得た。種子の半粒を電気泳動にかけて、予め調製していたIL10またはVHH1の特異抗体を用いてウエスタンブロットにて発現を確認した。高発現P1種子か6さらにP2種子、現在はP3種子を作出中である。ヒトIL-10及びVHH1の試験管内での活性測定法を構築できたので、IL-10は再生後の活性を確認する予定であるが、VHH1は予備実験での試験管内のRRVの阻害活性は確認できている。特にVHH1米は簡単に可溶化できることか6、経口での抗体療法の可能性が期待される。今後は両者とも本年度作出されてくるP3米を用いた本格的解析を進めていく。
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Research Products
(5 results)