2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21200079
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 美佐子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30332456)
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Keywords | 樹状細胞 / 細胞外核酸 / クラスリン / Toll-like receptor / エンドソーム / タイプIインターフェロン / 炎症性サイトカイン / プロテオーム |
Research Abstract |
ウイルスdsRNAの合成アナログであるpoly(I:C)はクラスリン依存的経路で骨髄系樹状細に取り込まれ、エンドソームに局在するTLR3とそのアダプター分子TICAM-1(別名TRIF)を介してタイプ1インターフェロン(IFN)や炎症性サイトカイン産生を誘導し、更には、樹状細胞にNK細胞活性化能、CTL誘導能を与え抗がん免疫活性を示す。Poly(I:C)はエンドソームTLR3のみでなく細胞質RNAヘリケースのMDA5も活性化するが、細胞外からの取り込みの分子機構は不明である。本研究では、poly(I:C)の取り込みおよびTLR3を介したIFN-β産生に必須の分子を同定した。poly(I:C)結合活性を有するヒト細胞株の可溶化物から、poly(I:C)結合タンパク質をpoly(I:C)-Sepharoseによるアフィニティー精製/プロテオーム解析で同定し、膜タンパクならびに膜結合活性を有するタンパクを選定しsiRNAによるノックダウンで機能を査定した。その結果、B細胞のlipid raft proteinとして報告されていたRaftlinがpoly(I:C)刺激によるTLR3を介したIFN-β産生に重要であることがHeLa細胞などの上皮系細胞やヒト骨髄系樹状細胞で明らかとなった。取り込み実験より、Raftlinはpoly(I:C)やpoly(I:C)と取り込みレセプターを共有するB/C-type ODNの取り込みに必須であることが判明した。一方、トランスフェリンの取り込みには関与しないことから、Raftlinはpoly(I:C)などの非自己核酸の取り込みに重要な分子と考えられた。RaftlinはHeLa細胞では細胞質に、ヒト骨髄系樹状細胞では細胞膜と細胞質に局在しており、poly(I:C)刺激で細胞質から細胞膜に移行し、クラスリン-AP-2複合体と相互作用してpoly(I:C)の取り込みとエンドソームTLR3への配送に関与することが明らかになった。今後poly(I:C)の取り込みレセプターを同定し、Raftlinを介した細胞外核酸取り込みの詳細な機構を明らかにする。
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[Journal Article] Identification of a polyl : C-inducible membrane protein, that participates in dendritic cell-mediated natural killer cell activation.2010
Author(s)
Ebihara, T., M.Azuma, H.Oshiumi, J.Kasamatsu, K.Iwabuchi, K.Matsumoto, H.Saito, T.Taniguchi, M.Matsumoto, T.Seya.
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Journal Title
J.Exp.Med.
Volume: 207
Pages: 2675-2687
Peer Reviewed
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[Journal Article] The peptide sequence of diacyl lipopeptides determines dendritic cell TLR2-mediated NK activation.2010
Author(s)
Azuma, M., R.Sawahata, Y.Akao, T.Ebihara, S.Yamazaki, M.Matsumoto, M.Hashimoto, K.Fukase, Y.Fujimoto, T.Seya.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 5
Pages: e12550
Peer Reviewed
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