2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21200079
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 美佐子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30332456)
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス感染 / 炎症応答 / 樹状細胞 / 炎症性サイトカイン / インターフェロン / エンドサイトーシス / 二次構造予測 |
Research Abstract |
骨髄系樹状細胞のエンドソームに局在するToll-1 ike receptor(TLR)3は、合成dsRNAのpoly(I:C)を認識し、炎症性サイトカインやIFN-α/β産生を誘導する。Poly(I:C)によるTLR3活性化には、Raftlin依存的エンドサイトーシスが必須である。一方、ウイルス感染時でのTLR3によるウイルス核酸認識の機構は不明である。本研究では、TLR3が認識するRNA構造を新たに同定した。感染細胞内に(+)鎖ssRNAとdsRNAが検出されるポリオウイルスのcDNAをテンプレートに500~1800bpの断片化された(+)鎖、(-)鎖のssRNA、それらのdsRNAをin vitro転写で作製し、TLR3活性化能をIFN-β promoterの活性化で調べた結果、dsRNA以外にある種のssRNA断片がTLR3を活性化することが明らかとなった。この機能性ssRNAは分解に抵抗性であり、ヒト繊維芽細胞や上皮系細胞、マウス骨髄系樹状細胞からIFN-α/β,炎症性サイトカイン産生をTLR3-TICAM-1依存的に誘導した。更に、poly(I:C)同様、Raftlin依存的に細胞内に取り込まれ初期エンドソームのTLR3と共局在する事、TLR3細胞外領域のN末、C末に存在するdsRNA結合領域を介してTLR3を多量体化させシグナルを伝達すること、dsRNA領域が活性化に必要であることが判明した。二次構造予測と生化学的解析から、機能性ssRNAは比較的長いタンデムなステム構造をもつことが明らかとなった。従ってウイルス感染時では、感染細胞から漏出したdsRNA、ssRNA断片が取り込みレセプターを介して取り込まれ、エンドソームのTLR3で感知されると考えられる。分解抵抗性のssRNA断片はネクローシス死細胞からも漏出すると考えられ、TLR3の炎症応答への関与を示唆するものである。
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[Journal Article] Phosphoinositide 3-kinaseg controls the intracellular localization of CpG to limit DNA-PKcs-dependent IL-10 production in macrophages2011
Author(s)
Hazeki, K., Y.Kametani, H.Murakami, M.Uehara, Y.Ishikawa, K.Nigorokawa, S.Takasuga, T.Sasaki, T.Seya, M.Matsumoto, O.Hazeki
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 6
Pages: e26836
DOI
Peer Reviewed
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