2011 Fiscal Year Annual Research Report
全身受動性と注意誘導性を備えた等身大ヒューマノイドへの発展的身体行動構成法の研究
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21220004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 雅幸 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50184726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 慧 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (70359652)
吉海 智晃 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任講師 (60436558)
中西 雄飛 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (50559458)
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Keywords | ヒューマノイド / 全身受動性 / 注意誘導性 / 発展的構成法 / ロボットシステム / 筋骨格剛性可変腱駆動 / 感覚行動統合 / ロボット体内自律反応系 |
Research Abstract |
本年度は全身受動性を段階的に比較交換可能な全知覚統合制御方式のヒューマノイドプラットフォームを開発し注意誘導に基づく行動ソフトウェアの構築を行った. (1)筋・関節駆動統合脚の開発:非線形バネ組込み腱駆動機構に基づく剛性可変足首機構を備えた関節駆動統合型大出力脚を開発し,十分な歩行性能と着地衝撃吸収性能を兼ね備えた脚部を実現した. (2)関節駆動方式交換可能な筋骨格ヒューマノイド:高強度なモジュール接続部を実現する特殊形状金属性骨格を採用し,体幹,脚股関節,膝関節,肩関節を,関節軸駆動式と筋駆動式に交換可能なモジュールリンク式筋骨格ヒューマノイドを構築した. (3)環境接触認識適応システムの構築:駆動筋搭載の張力センサに基づき外界環境接触状況認識を行い,状況に応じて適切な機械剛性を調整可能な体内反応系を構築し,不意に人から寄りかかられた際にも柔らかに支えることが可能な筋骨格ロボットシステムを構築した. (4)全感覚蓄積データ比較解析システム:メッセージ通信方式に基づく分散計算機上で実行可能な感覚蓄積システムを実装し,複数ロボットに分散接続されたセンサ情報を一括同期保存することが可能な,異なる身体ハードウェアを有するロボット行動結果の比較評価を着実に行う環境を構築した. (5)触覚全身分散配置被覆外装による全身受動性行動の実現:全身被覆可能な触覚センサ内包式柔軟肉質外装スーツを開発し,全身での物の受け渡し等の全身受動性に基づくタスク行動実現を行った. (6)注意誘導性に基づく生活支援タスクの実現:環境認識に基づき,操作対象物体切替え,道具操作作用点の着目,対人接触時の柔軟性調整,移動時の環境衝突回避自律移動機能といった,適切な行動タスクを選択可能な注意誘導性を備えた行動カーネルを等身大ヒューマノイド上に統合することで,変化に富んだ実生活環境下における着実なタスク実行が可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は,多様な身体受動性と注意誘導性を備えたロボットシステムを比較検証することで,より一般的な全知覚統合制御に基づく身体行動構成法を体系化することが目的であり,身体ハードウェアと行動ソフトウェアの段階的構築が重要となる.ここまで,柔軟筋駆動・軸駆動,多節体幹機構,柔軟肩関節,柔軟外装機構を適宜交換可能な計画段階以上の多様なプラットフォームの開発を完了し,関節駆動型等身大ヒューマノイド上において,具体的な行動支援を実際に実現可能な注意誘導性と全身受動性に基づく行動制御ソフトウェアを構築し研究発表を数多く行ってきており,研究計画調書での目標を超える多様な行動様式への展開が達成できている状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築した柔軟筋駆動・軸駆動統合脚に搭載可能な,多節体幹,柔軟肩関節,能動衝撃吸収外装を適宜交換可能な大出力上半身を開発し,各機構の有無による比較検証実験を行う,加えて現有の関節駆動型,筋駆動型ヒューマノイドの運動制御基盤ソフトウェアを統合型にも応用可能な形式で拡張し,関節駆動型/筋駆動型/統合型ロボットにおいて同様の運動タスク試行時の比較実証実験を行うことで,身体受動性の段階的付加に基づく注意誘導全知覚統合行動構成法の道筋を示す.最終的に,実際にヒューマノイドの代表的支援タスクである,1)人観察に基づく働きかけ支援動作,2)全身物体受け渡し動作,3)布展開動作,4)着衣支援,5)車椅子移乗支援,における注意誘導機能を,受動性機能改造を加えたヒューマノイド上で試行することで,有効となる受動性機能構造とそのための行動ソフトウェアの構成法を明らかにし,差異記述の発展的構成法として本研究課題の総括を行う.
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Research Products
(54 results)