2010 Fiscal Year Annual Research Report
MSM/Msマウスのユニークな表現型の遺伝学的解析
Project/Area Number |
21220010
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 茂晴 理化学研究所, マウス表現型解析開発チーム, チームリーダー (90192434)
山縣 和也 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70324770)
吉信 公美子 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (20274730)
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Keywords | 野生マウス / 膵炎 / 糖尿病 / 可変型相同組換え / ヒト化マウス / 行動 |
Research Abstract |
1.「活発な自発運動の遺伝学的解析」 理研マウスクリニックにおいて、36匹のキメラマウスの行動解析を行なうとともに、脳組織の固定と採取を行った。キメラマウスの中には、MSMとB6と近似な値、もしくは中間的な値をとるものだけでなく、両者と異なる行動パターンを示すものが存在した。今後は、脳組織における2系統由来細胞の分布とマウスの行動表現型とを照らし合わせ、MSMの活発な自発行動に関与する脳領域の同定を目指す。 2.「疾患の感受性・抵抗性に関する遺伝学的研究」 (1)「膵炎・膵がんの感受性/抵抗性の遺伝学的解析」 セルレイン投与による実験的膵炎では、JF1とC57BL/6は抵抗性、C3Hは感受性である。その遺伝子レベルでの違いを明らかにするため、セルレイン膵炎誘発時の種々の炎症関連遺伝子の発現パターンをウエスタンブロット法で解析した。その結果、感受性系統であるC3HではRIP3が上昇傾向、TNF-alphaが刺激後に低下しなかった。それ以外の分子はあまり目立った変化を示さなかった。 (2)「糖尿病の抵抗性の遺伝学的解析」 単一遺伝子異常により発症するMODYの6つの原因遺伝子(Hnf1a,Gck,Hnf1b,Hnf4a,Pdx1,Neurod1,)について、いずれもATGの直前で遺伝子破壊し、のちにヒト相同遺伝子で置換できるようにlox71とloxPを挿入したベクター構造とした完全破壊用の相同組換えベクターを作製し、相同組換えESクローンを単離した。また、Hnf1a,Gckについてはキメラマウスの作製にも成功した。6つのヒト全長cDNAのグローニングを行った。Hnf4a、Gckについては膵β細胞と肝臓でcDNAの配列が異なるため、膵β細胞発現型のcDNAを単離した。Hnf1a、Hnf1b、Hnf4aについてはヒト糖尿病患者で同定された遺伝子変異を導入したcDNAも作成した。
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