2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー分光法による都市の大気質診断とオキシダント制御に関する研究
Project/Area Number |
21221001
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶井 克純 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (40211156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 隆文 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境領域, 領域長 (60184826)
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Keywords | イソプレン / モノテルペ / セスキテルペン / OHラジカル反応性 / 未知なるOH反応性 / 窒素酸化物 / NO_3反応性 / NO_3ラジカル |
Research Abstract |
米国コロラド州マニトウ国立森林研究場において8月に大気質の総合集中観測に参加した。首都大グループはOH反応性を担当し、その他米国の大学および国立研究所が植物から放出されるVOCの観測を担当した。OH反応性は清浄な大気なのにも関わらず、10-50s^<-1>まで変動し、植物からのVOCの重要性が指摘された。9月上旬は同地において単一植物(米松)のVOC発生の実験を行った。帰国後、当該研究室においても植物実験を行えるためのシステム立ち上げを行った。疑似太陽光を作るために水銀灯を準備し、ヒーターを装備し、温度および光り強度を自在にできるようにした。完成したシステムにおいてカナダトウヒ(針葉樹)について実験を行った。チャンバー温度を20から45℃まで変化させて、OH反応性、イソプレンおよびモノテルペン類の濃度を測定してOHの未知なる反応性について検討した結果、温度の上昇とともに未知なる反応性が増加し、45℃のときは約50%にも達することが明らかとなった。未知反応性はモノテルペンと良く似た挙動を示すが、高温になるほど強くなる傾向が強いことから、モノテルペンよりも蒸気圧の低いVOCと考えられ、セスキテルペン類の可能性がきわめて高いと推察している。シャーシダイナモによりエコカーであるT社のハイブリッド車について分析を行った。NO3ラジカル反応性測定装置が完成し、イソプレンおよびシクロヘキセンの反応速度を測定し装置の妥当性の確認を行った。その後、世界で初めて外気の測定に成功した。NO3ラジカルの反応性は1-5s^<-1>であり、夜間の窒素酸化物の消失過程としては異変重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)