2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21221010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水島 司 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70126283)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押川 文子 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (30280605)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)
佐藤 孝宏 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (80444488)
岡本 勝男 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (50354030)
柳澤 悠 東京大学, 東洋文化研究所, 名誉教授 (20046121)
川島 博之 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (30161318)
喜多村 百合 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (20284458)
宇佐美 好文 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (40081559)
佐藤 隆広 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (60320272)
石上 悦朗 福岡大学, 商学部, 教授 (00151358)
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
山崎 幸治 神戸大学, その他の研究科, 教授 (30319818)
|
Keywords | GIS / インド / ベースマップ / 環境 / 開発 / 経済 / 農業 / 都市 |
Research Abstract |
本研究は、GIS(地理情報システム)を基盤として、18世紀から現在に至るインド農村の長期変動の特質と今後の動向を解明することを目的としている。この目的に則り、平成23年度は、継続して行っている各種資料の収集と分析、ベース・マップ、データベースの作成、現地調査に加え、数度にわたって研究会を開催した。 資料としては、大英図書館から植民地期の一次史料をデジタルデータの形で入手した。また、既に作成を終えた行政村レベルのGISベースマップに加えて、自然村レベルのGISベースマップを作成することを目的として、5万分の1地形図3000枚分のベースマップ作成を終えた。残り1500枚相当の地域については、インド政府の規制があるため、大英図書館で収集することに努めたが、一部は現存せず、スケールの異なるGISベースマップを重ねる形で処理する方針を決めた。 データベースに関しては、18世紀後半の村落台帳の土地利用・職種データの入力、1871年センサスのカースト・職種データの入力、1924年土地台帳の入力とデバッグなどを、それぞれ数百~数千村の行政単位で終えた。また、作物統計Season and Crop Reportや、雨量データに関しても、長期の統計をデジタル化し、分担者が分析・報告した。 出版に関しては、全5巻の章別構成と執筆分担を決め、それぞれの内容と全体の議論に関して研究会を実施し、最終年度での出版にもっていく準備を進めた。 代表者および分担者は、これらの共同での研究に加え、それぞれ、日本南アジア学会大会、現代インド研究拠点国際会議、ジャワハルラルネルー大学での国際シンポジウム、国際経済史学会などで報告を行い、あるいは論文や著書の形で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GISベースマップの作成に関しては、既に行政村レベルのものを作成済みである。当面の作業には、それで十分であるが、しかし、ベースマップ自体が、今後さらに広範に利用されるようになるためには、それよりも更に詳細な5万分の1地形図によるベースマップの作成を目指したい。しかし、インド政府による地形図入手の制限により、全体の3分の2を超えることが現状では困難であるため、何らかの打開策を思案中である。他に関しては、おおむね計画に沿って順調に進展しているが、当初計画していなかった5巻のシリーズ本の出版が出版社との協議で可能となったということで、この点に関しては、当初の計画以上に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、おおむね計画通り進展し、加えて5巻本の出版見込みがついた。研究の成果の一部は、出版の形で進め、議論の体系化と精緻化を、研究会・編集会議で詰めながら進めていく。 今後、広く使われるであろうGISベースマップに関しては、上記11で記したように、地図入手の制限があるため、自然村レベルのベースマップの完成がかなり困難であろうと考えている。そうした制限のない大英図書館所蔵の地形図の入手と、シカゴ大学やフランスインド学研究所などの欧米の研究機関で保管されている地形図の調査と入手を進め、空白部分を極力埋めるようにしたい。と同時に、善後策として、異なるスケールと測位系で作成されている5万分の1地形図と25万分の1地形図の情報を重ね合わせる技術処理をし、汎用性の高いベースマップをウェッブに載せ、提供するつもりである。
|