2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美一 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究院数学部門, 教授 (80296748)
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Keywords | 特異拡散方程式 / ハミルトン・ヤコビ方程式 / 無限粒子系 / 相転移 / 自由境界問題 |
Research Abstract |
形状や構造の変動を正確に捉え解析することは科学技術全般の複雑な現象を理解し、解明するために重要である。微分積分学の登場以来、現象の記述に様々な非線形微分方程式がモデルとして提案されているが、それがもとの現象をどこまで記述しているかを調べることは常に重要な課題である。 本研究では、次の5つの課題に取り組んでいる。(1)形態変動解析に適した新たな解概念の定式化(2)解の挙動の解析(3)離散モデルと連続モデルの相互関係の解析(4)次元の効果の解析(5)科学技術諸分野からの問題探索 本年度は(1)については、結晶成長表面の運動を記述する異方的曲率流方程式で、表面エネルギーが特異かつ駆動力が空間的に非一様な場合に具体的な解の概念を構築および、粘性解の理論に基づいたあらたな解の概念を構築した。また、(2)については、成長結晶表面の運動を記述するハミルトン・ヤコビ方程式が非強圧的であることに着目して時間無限大での挙動を記述する定常問題に対して比較定理を確立した。これにより、今まで扱われていなかった非強圧的ハミルトン・ヤコビ方程式の時間無限大での挙動の解析を可能にした。また、(3)については曲率流方程式の境界値問題に対して、微分ゲーム的な解釈を与えるなど、離散近似についての理解を深めた。(4)については概周期関数を初期速度とするナヴィエ・ストークス方程式は2次元の場合、大きな初期値であっても、時間無限大まで滑らかな解が存在することを示した。(5)については、結晶成長理論におけるステップ成長の理解につとめるとともに、シリコンの形状変化を研究している工学研究者との共同研究を開始することができた。 以上のように、結晶成長分野を中心に様々なモデルの数学的基礎付けを与えることを中心に研究展開した。
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Research Products
(18 results)