2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究院・数学部門, 教授 (80296748)
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Keywords | 非強圧的 / ハミルトン・ヤコビ方程式 / 離散微分ゲーム / 漸近形 / 渦度 |
Research Abstract |
形状や構造の変動を正確に捉え解析することは科学技術全般の複雑な現象を理解し、解明するために重要である。微分積分学の登場以来、現象の記述に様々な非線形微分方程式がモデルとして提案されているが、それがもとの現象をどこまで記述しているかを調べることは常に重要な課題である。 本研究では、次の5つの課題に取り組んでいる。(1)形態変動解析に適した新たな解概念の定式化(2)解の挙動の解析(3)離散モデルと連続モデルの相互関係の解析(4)次元の効果の解析(5)科学技術諸分野からの問題探索 本年度は(1)については、結晶表面の成長を記述するハミルトン・ヤコビ方程式に結晶成長法に対応する不連続な駆動力をつけた方程式に対する新しい解の概念を確立し、初期値問題の解の一意可解性を示した。不連続ハミルトン・ヤコビ方程式に対する粘性解理論の拡張とみなせる。(2)については、結晶成長現象の記述に表れる非強圧的ハミルトン・ヤコビ方程式について、その解の時間無限大での挙動(漸近形)の解析を可能にし、ファセット面の安定条件を明確にした。(3)については衝撃波が現れるような1階の方程式について離散微分ゲーム的な解析が与えられるかを検討中である。(4)についてはナヴィエ・ストークス方程式で、解の爆発が起きるとしたら渦度の方向が空間方向に不連続になることを証明した。これにより、2次元のように渦度の方向が一定の場合に近ければ解が滑らかになることがわかった。(5)については、結晶成長理論におけるステップの理解、特にファセット近傍での巨視モデルと微視モデル関係について考察中である。 以上のように、結晶成長分野等で様々なPDEのモデルの数学的基礎を与えることを中心に研究を展開した。
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Research Products
(14 results)