2010 Fiscal Year Annual Research Report
広視野ガンマ線カメラによるMeVガンマ線河内天体気球観測
Project/Area Number |
21224005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
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Keywords | 核ガンマ線 / かに星雲 / コンプトン散乱 / ガス増幅検出器 / コンプトンカメラ / Time Projection Chamber / 気球実験 / 陽電子電子対生成 |
Research Abstract |
平成22年7月に、北極域での電波観測を行っている欧州非干渉散乱科学協会との協議において、地球大気に大きな影響が予想される高エネルギー電子降下現象を北極域でETCCを用いて気球観測を行い宇宙ガンマ線観測と同時に極域の高エネルギー電子降下現象の観測を行う方向に変更し、そのための設計変更および以下の開発を行った。 1.気球用大型ETCCの設計・製作: 大型ETCCを気球で動作させるため、TPC回路およびシンチレーター回路の省電力型回路システムを開発、前回の3倍以上の新号数で同程度の電力に抑えることに成功。またTPC,およびシンチレーターの性能も2に述べるように大きく改善した。 2.地上用ETCCを用いた性能改善試験: 上でのべた新型回路系によりTPCの新しい信号処理法を開発、従来と比べ、10倍程度の測定点数で荷電粒子飛跡の計測が可能となり、検出感度、角度分解能の大幅な改善が期待できる。さらにシンチレーター回路の改良によりエネルギー分解能、ダイナミックレンジ共に向上し、要求を満たせるものが出来た。 3.気球用大型ETCCのTPC容器、架台等の設計変更関係:極域での長時間観測のためには太陽電池システムが不可欠である。そのためには太陽追尾が必要となり、気球ゴンドラの方位角方向の姿勢制御の開発が必要となった。小型実験器を製作し、制御手法を確立。さらに太陽電池の選択および制御回路を製作。 4:気球用圧力容器等の開発:気球搭載用のTPC圧力容器を、軽量、低物質を目的としプラスチック製と強度を重視したアルミハニカム製の2種類を製作した。
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