2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21224010
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70251486)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 謙介 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60334314)
柴山 義行 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20327688)
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| Keywords | 低温物性 / 物性実験 / ナノサイエンス / 超流動 / 量子臨界現象 / 超固体 / ジョセフソン効果 / ナノ多孔体 |
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| Research Abstract |
本研究は、ヘリウム(4He)をナノ空間に閉じこめ実現される「ナノスケール・ヘリウム」における新奇量子現象を系統的に明らかにすると共に、その超流動性を自在に制御する方法を確立させ、様々な科学技術への応用研究を展開する。平成22年度は以下の成果を得た。(1)ナノ多孔質ガラス中4Heの量子臨界ダイナミクスを昨年度開発した広帯域超音波装置により10-110MHzの周波数範囲で調べ、超流動転移温度が周波数の増加に伴い上昇することを発見した。(2)ナノ多孔質ガラスに吸着して形成された固体4He薄膜において、機械的振動への応答に量子臨界現象が存在することを前年度発見したが、この現象が粘性流体のスリップ現象であり、その緩和時間が量子臨界点に近づくにつれて発散するという解釈を得た。(3)ポーラスアルミナ・ナノポアアレイ中4Heの超流動特性を環状ねじれ振り子で調べ、サイズ効果で3mK程度の転移温度の低下があること、環状試料を伝播する第2音波の鋭い共鳴が多数観測されることを見出した。(4)ポーラスアルミナ版を超伝導ワイヤーに取り付けて液体ヘリウム中で振動させる手法を開発し、超流動特性の測定を開始した。(4)前年度に検討した課題である、ポーラスアルミナ細孔内にカーボンナノチューブを成長させる装置を準備した。(5)グラファイト表面上固体4Heの結晶成長を捻れ振動子で調べ、結晶成長が0.4K以下で抑制されることを発見した。(6)ナノ多孔質ガラス中液体4Heの静電場効果を測定した。2×106V/mまでの電場では、超流動転移に対する有意な効果は観測されなかった。(7)グラファイト表面上に吸着した固体4He薄膜に対するねじれ振り子実験より、固体膜の超流動的挙動に振動速度依存性が存在することを見出した。
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