2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平田 岳史 Kyoto University, 理学研究科, 教授 (10251612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50270921)
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Keywords | 地球中心核 / 親鉄性元素 / 超高感度質量分析計 / 超高圧発生技術 / 微量元素分析 / 局所領域分析 / ダイヤモンドアンビルセル / 元素分配実験 |
Research Abstract |
「地球中心核」の形成は、地球内部構造と物質進化、さらには地球表層環境変化に大きな影響を与える。このため、定量的かつ近代的な地球進化論を構築するには、地球中心核の形成過程に関する地球化学的制約条件を付すことが直接的かつ重要な研究課題となっている。本研究課題では、次世代プラズマ質量分析法に、本研究推進グループが実用化した次世代レーザー試料導入装置を組み合わせた超微量元素分析法と、研究分担者が培ってきた世界最高の超高温・高圧実験技術を組み合わせることで、地球中心核での物理化学素過程に関する基礎的知見を得ることを目的としている。本年度は、地球中心核を含めた超高圧条件下での元素分配挙動を調べるために必要となる高感度分析法の開発を目的として、磁場型質量分析計を用いた超高感度プラズマ質量分析計の導入と、装置の分析性能の評価ならびに研究推進の基盤技術となる微量元素を行う上での基礎データの取得を進めた。プラズマイオン化条件の最適化を図ることで、従来の5~8倍程度の分析感度が得られるとともに、磁場型質量分析計を用いることでバックグラウンド信号を低減することができ、従来の10~12分の1以下の微量元素に対して正確な化学組成分析が実現可能であることがわかった。さらに本年度導入したプラズマ質量分析を、既有備品であるフェムト秒レーザーアブレーション試料導入装置と結合する実験(研究計画2年目以降に予定)に備え、特殊試料セルの設計・製作とレーザー照射条件の最適化を並行して進めた。超高圧実験に関しては、ダイヤモンドアンビルセルの形状と加熱方式に改良を加え、超高温発生実験の安定化を図るとともに、実験計画二年度以降に予定している超高圧実験の予備実験を行った。予備実験では、正確な元素分配データが得られるよう、試料の均一加熱・不均一冷却法を試み、再現性の向上が図れた。
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