2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21225001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 真紀 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70177640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 紀明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (50252416)
上羽 弘 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (70019214)
金 有洙 理化学研究所, Kim表面界面科学研究室, 准主任研究員 (50373296)
白木 將 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (80342799)
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Keywords | 表面・界面 / プローブ顕微鏡 / 分子振動 / 化学反応 / 吸着 / アンドレーフ反射 |
Research Abstract |
STM探針から注入した電子による吸着分子の振動励起とその緩和過程で起こる化学反応の反応確率を電子エネルギーの関数として表したアクションスペクトルを解析するための理論的な枠組みを構築した。反応を引き起こすために必要なエネルギー、電子の個数、現象論的なエネルギー幅をパラメータとする解析的な理論式の導出に成功した。金属表面に吸着したCO分子の拡散、ブテン分子の回転運動、水ダイマーの運動などのいくつかの系に適応した。エネルギー閾値をこれまでに比べて精度よく決定できること、反応次数はトンエル電流値依存性から得られた実験値と非常に良く合うことがわかった。これにより、理論式の正しさを実証するとともに。表面分子振動分光法として、アクションスペクトルの基礎を築くことに成功した。単一分子の電気伝導を測定するために、STMシステムを利用してSTM探針を精度よく吸着分子に接触させ、探針-分子-基板からなる接合を作り、その電流-電圧曲線を測定する接合作製システムを構築した。ニオブ探針を超高真空中で作製する技術を確立した。これらの技術を融合して、超伝導ニオブ探針-単一分子/原子-超伝導基板からなるSTM超伝導接合を作製する基盤技術を構築した。ニオブのナノ接合や単一フラーレン分子について超伝導ギャップ内を流れる多重アンドレーフ反射の計測に成功した。STMジャンクションにある分子に光を照射し、光による分子ダイナミクスを単一分子レベルで観測するするシステムの建設を開始した。
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