2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21225007
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大野 弘幸 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (00176968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 暢文 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60313293)
森島 圭祐 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60359114)
水雲 智信 国立大学法人広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90436676)
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Keywords | イオン液体 / バイオサイエンス / セルロース / タンパク質 |
Research Abstract |
バイオマスから温和な条件下でセルロースを抽出できるイオン液体の設計をさらに推進させた。一連の亜リン酸誘導体を用いてイオン液体を作成し、セルロース溶解能力を比較した。その結果、亜リン酸誘導体のアルキル鎖が伸長すると、極性が低下する傾向が認められた。その知見をもとに次亜リン酸を成分とするイオン液体を作成した結果、従来系を超えるセルロース溶解能を有するイオン液体の作製に成功した。抽出したセルロースを加水分解するために、極性イオン液体に水を添加するとセルロースが沈殿した。水の添加はイオン液体の極性を低下させてしまうので、ワンポットで抽出から加水分解までを進めることは難しかった。そこで、含水系でもセルロースを溶解できるイオン液体の設計を本年度末に開始した。この課題は次年度も継続する。また、イオン液体に溶解させたセルロースの分子量および分子量分布を直接測定するために、粘性の高いイオン液体溶液にも適応可能な高圧・液体クロマトグラフィーを開発した。適切に選択したカラムを用い、流速0.01~0.02ml/minという超低速で送液操作すれば、分子量に応じてピークを分離できることを世界で初めて明らかにした。次年度はこのシステムを駆使して加水分解を経時的に追跡する。 タンパク質をイオン液体に可溶化させる方法論の一つとして水和イオン液体の展開を進めた。種々のメタロプロテインの他に、グルコースデヒドロゲナーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼなどを溶解できるイオン液体系を作製できた。また、細胞の周囲を保護するイオン液体の設計にも着手し、基礎知見を整理した。
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Research Products
(86 results)