2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21225007
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大野 弘幸 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00176968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 暢文 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60313293)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 含水イオン液体 / バイオマスの溶解 / 極性 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
本年度もバイオサイエンスの様々な研究に寄与するイオン液体の研究を推進させた。従来の高極性イオン液体はセルロース溶解能を有すものの、水の存在下ではその溶解能力が著しく低下してしまう欠点があった。それを改善するために、構成イオン、特にアニオンの設計を行い、上述の新規イオン液体の含水物を提案した。これは含水状態のバイオマスを溶解でき、有用成分の抽出を非加熱で可能とするようなイオン液体であり、実際に様々な木材を対象とし、溶解試験を実施した。ポプラ、松、杉、など様々な樹種に対し、溶解能を有し、セルロース、ヘミセルロース、さらにはリグニンの一部も抽出できることを明らかにした。 イオン液体中でのタンパク質などの活性維持については、長期安定保存を可能にするイオン液体の作出を行った。また、イオン液体を用いたバイオ燃料電池の作成については、イオン液体中においても電極反応可能なアノード用酵素を我々は既に見出しているので、カソード用の酵素の触媒反応について検討を行った。カソード用酵素としてビリルビン酸化酵素(BOD)を選択した。ごく少量の水を含む疎水性のイオン液体を電解質として用いると、BODが酸素の4電子還元反応を触媒できた。これまでの結果を踏まえ、アノード用酵素としてアルコール脱水素酵素、カソード用酵素としてBODを用い、少量の水を含む疎水性イオン液体を電解質としてバイオ燃料電池を構築し、エタノールを燃料とする発電に成功した。 細胞活性を維持するイオン液体の設計には、様々な特性を制御する必要が明らかとなった。特に、親水性のイオン液体は細胞を包括固定する際に、浸透圧変化を引き起こし、細胞死を引き起こすため、疎水性で高極性なイオン液体が有用であると考えられた。物理化学的に矛盾する疎水性と高極性を達成させるために、それぞれの構成イオンに役割を分担させ、目的のイオン液体を合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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