2010 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ複合材料の設計・合成・評価ループ構築と高機能化に関する研究
Project/Area Number |
21226004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田路 和幸 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10175474)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90282095)
胡 寧 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60250685)
大森 守 東北大学, 大学院・工学研科, 技術補佐員 (30005954)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / カーボンナノチューブ / 複合材料 / 焼結 / セラミックス / 機械・電気的特性 / 前駆体法 / ナノ欠陥 |
Research Abstract |
以下の研究課題についてMWCNT/アルミナ複合材料の合成・評価法の開発に関する検討を行った.用いたMWCNTsは,全て化学気相析出法により作製されたものである. 研究(1)前駆体法を用いたCNT均質分散手法の開発:水酸化アルミニウムを前駆体としてスパークプラズマ法により作製したMWCNT/アルミナ複合材料について,MWCNTの不均質な凝集体等の不純物が強度と破壊靭性に大きな影響を及ぼしていることを明らかにした.また,MWCNTsのアニール処理温度を変化させることにより分散性を制御できることを示し,処理温度の低温化が分散性の向上に効果的であることを見出している. 研究(2)無加圧焼結法に関する検討:出発原料としてアルミナ粉末を用いることで,1400℃の条件下で無加圧焼結法により相対密度が99%以上の緻密なMWCNT/アルミナ複合材料を作製できることに成功した.さらに,複合材料の機械的特性は同様の手法で作製したアルミナマトリックスのみの特性と比較して,同等あるいはそれ以上の特性を有するものであることを示している. 研究(3)ナノ界面特性の向上に関する検討:WCNT/アルミナ複合材料の破面のTEM観察により,従来考えられていたMWCNTが完全にプルアウトするのではなく,き裂との相互作用により破断しき裂架橋効果が制限されていることを世界に先駆けて見出し,MWCNTによるき裂架橋メカニズムを提案している.さらに,混酸によるMWCNT表面処理・修飾の最適条件を決定するとともに,MWCNTのアニール処理や高分子電解質による改質もナノ界面特性の向上に有効であることを示した. 研究(4)試作したCNT/アルミナ複合材料の特性評価手法の開発と性能向上:MWCNTのSEM内一軸引張試験による特性評価法を開発し,これに基づく複合材料特性向上のための方法の提案を行った.
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Research Products
(5 results)