2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノ熱流体複合センシングと界面制御デバイスの開発
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21226006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40156592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00344127)
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (30407142)
三木 則尚 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70383982)
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70407146)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 熱流体センシング / 熱流動制御 / ポリマー / MEMS・NEMS / ナノ・マイクロ切削加工 / 気体選択的透過デバイス / マイクロPIV/LIF / マイクロコンタクトプリント |
Research Abstract |
マイクロ・ナノ基盤要素技術のシステム統合化を目指して、マイクロ・ナノ熱流体複合センシング技術および熱流動界面制御デバイスの開発研究を行う。マイクロチャネル壁面ゼータ電位制御の新たな技術として機械修飾法の提案を行った。液体窒素下切削加工によりマイクロチャネルを形成すると同時に、加工条件を調整して流路表面の粗さを制御することにより、機械的に表面を修飾する技術の開発に取り組んだ。マイクロエンドミル加工において回転数と送り速度を調整することで、流路表面粗さを数十ナノ~数ミクロンの間で制御可能であることが判った。また表面粗さの違いによりマイクロチャネル壁面のゼータ電位が変化することが、マイクロ共焦点PIVにより実験的に示すことができ、機械的に微細構造パターンをマイクロチャネル壁面に施すことの有効性を示した。高強度シリコーンであるPMPSをエレクトロスピニング法によって微細ファイバー化し、さらにその分散に配向性を付与させることが可能となった。この配向ファイバーをPDMSにコンポジットすることにも成功した。膜の方向によりガス透過性や力学物性に異方性が出ることが期待される。この異方性コンポジットは、等方性(ランダム)コンポジットに比較すると、ファイバーの配向方向の弾性率が高いことが認められ、現在その有意性を確認している。更に、エレクトロスピニングによるナノガラス粒子基板製作プロセスの開発を行った。液体ガラス溶液粘度や印加電圧など各種プロセスパラメータの最適化を行い、その成果を国際論文誌に発表した。また、フォトリソグラフィーにより製作した数ミクロン径の穴に微生物を誘電泳導で固定しスクリーニングを行うフロータイプのマイクロデバイスを開発した。また加工手法により異なるガラス表面が、電気浸透流に与える影響について、プラズマドライエッチングとウェットエッチングの場合に関して、実験的に導出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実用化を視野に入れた気体高透過性ポリマーの気体・液体界面における力学的因子を制御すること、また材料そのものの透過性および力学物性上昇、さらには異方性を機能として付与することができつつある。これら材料機能化により、複合化および分散性がポリマーコンポジットの気体吸収および力学物性に与える関係を明らかにしている。また、これまでに界面改質技術について検討を行い、これを機能マイクロ流体デバイスに組み込み、その効果の実験的実証を開始した。補正により追加したペリスタポンプにより、同時並行して複数の実験を行えることができ、格段に研究が加速した。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロPIV、マイクロLIF、ナノPIVおよびナノLIFの開発および統合化が完了し、更にレーザ放射圧による速度センシング技術を併用することにより、異相界面熱流体蛍光複合センシング技術の開発を順調であると考えている。熱流動多変量時空間分布の取得が可能となっているので、支配方程式に立脚した考察、ならびに異相界面熱流動デバイス開発に必要不可欠なパラメータの抽出が容易になってきた。加工表面の変質層に関する評価に関しては、ナノインデンテーション試験ならびにXPSによる非破壊試験を行う環境が整っている。低侵襲での切削加工を行うために微細工具の刃先先端丸みを50 nm~100 nmに仕上げることで、加工表面変質に直接関係する第三次塑性域の影響を抑制することが可能であると考えられる。また、加工面修復に関しては、プラズマによる表面処理技術の適用可能性が期待できる。導入したマイクロコンタクトプリント装置を用いたプロセス最適化が順調に進んでおり、これを用いた界面制御ならびに界面制御デバイスの開発は順調に進むと考えられる。また、ウェットエッチング、ドライエッチングによるガラス表面特性への影響評価を見かけのゼータ電位で評価することができており、この評価方法は、機械加工の評価への応用も十分に可能である。ポリマー材料に関しては、透過性ポリマー材料の最適化を気体透過性評価および力学物性向上で実現することが重要である。表面のみならず内部への微細構造構築により、気体透過性・分離性が向上し、更には力学物性が向上したシリコーンポリマーコンポジットができあがることが判ってきている。エレクトロスピニング法をプラズマ処理などにも応用しマイクロレベルの微細凹凸構造導入やSiOx被膜による分離特性向上、さらにはショットピーニングなどの他の有効な表面処理法の適用などにより、目的を達成する見込みは十分あると考えている。
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Research Products
(57 results)
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[Journal Article] Ultrastructural characterization of surface-induced platelet activation on artificial materials by transmission electron microscopy2013
Author(s)
Yoshimoto, Y., Hasebe, T., Takahashi, K., Amari, M., Nagashima, S., Kamijo, A., Hotta, A., Takahashi, K. & Suzuki, T.
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Journal Title
Microscopy Research and Technique
Volume: Vol.76,Issue4
Pages: 342-349
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation methodology of gas permeable characterization in a polymer-based microfluidic device by confocal fluorescence imaging2012
Author(s)
Ichiyanagi, M., Sakai, K., Kidani, S., Kakinuma, Y., Sato, Y. & Hishida, K
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Journal Title
Journal of Micromechanics and Micorengineering
Volume: Vol.22, No.6
Pages: 065023 (8)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Human umbilical vein endothelial cell interaction with fluorine-incorporated amorphous carbon films2012
Author(s)
Yoshimoto, Y., Hasebe, T., Nagashima, S., Kamijo A., Nakatani, T., Yamagami T., Kitamura, N. & Kitagawa T.
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Journal Title
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: Vol.51
Pages: 090129(7pp)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Effect of nanoscale wall roughness on zeta potential in microchannel flow2012
Author(s)
Tabei, T., Yoshikawa, S., Mizumoto, Y., Born, J., Jitsukawa, H., Ikebe, T., Ozawa, K., Kakinuma, Y. & Sato, Y.
Organizer
The 3rd International Forum on Heat Transfer(IFHT2012)
Place of Presentation
長崎ブリックホール(長崎県)
Year and Date
20121113-20121115
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[Presentation] Controlling the drug release rate from biocompatible polymers by changing plasma-treated area2012
Author(s)
Hagiwara, K., Hasebe, T., Asakawa, R., Kamijo, A., Suzuki, T. & Hotta, A.
Organizer
39th ICMCTF, International Conference on Metallurgical Coating and Thin Films
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
20120423-20120427
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[Presentation] Effects of argon plasma treatment on controlling the drug release rate from biocompatible polymers2012
Author(s)
Hagiwara, K., Hasebe, T., Asakawa, R., Kamijo, A., Suzuki, T. & Hotta, A.
Organizer
39th ICMCTF, International Conference on Metallurgical Coating and Thin Films
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
20120423-20120427
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[Presentation] Effective zeta potential to characterize micromachined glass surface2012
Author(s)
Koga, Y., Kuriyama, R., Sato, Y., Kakinuma, Y., Hishida, K. & Miki, N.
Organizer
ICEP-IAAC(Joint Conference of "International Conference on Electronics Packaging" and "IMAPS All Asia Conference")2012
Place of Presentation
Tokyo,Japan
Year and Date
20120417-20120420
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