2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21226007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (70108471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80250702)
小川 智之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50372305)
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Keywords | 窒化鉄 / 飽和磁化 / ナノ粒子 / 薄膜 |
Research Abstract |
低消費電力かつ高性能な電子部品・電気機器の革新的な特性向上を意図して、高飽和磁化を有するナノサイズのスピンナノ構造体(ナノ粒子)、特に、準安定相ながち2.4テスラの高飽和磁化の達成が見込める窒素濃度11at.%の窒化鉄について、高い再現性を有する直接合成手法あるいは間接合成手法の確立を目指す。また、スピンナノ構造体の凝集状態あるいは分散状態を精密制御する集合体形成技術の段階的構築を通して、高飽和磁化ナノ粒子集合体の新たな応用展開の可能性を探査する。 直接合成に関しては、鉄ペンタカルボニルを原材料とした熱分解法において反応系に新たにアンモニアガスを添加し、窒化鉄ナノ粒子の獲得を試みた。電子顕微鏡観察および電子線回折技術、ならびに飽和磁化をはじめとする磁気特性評価技術を駆使し、反応温度や反応時間、均一窒化のためのアンモニア導入方法を詳細に検討した結果、平均粒径約10nmで部分的にFe_3N相あるいはFe_4N相からなる窒化鉄ナノ粒子を溶液中に分散させた状態で生成させることに成功した。一方、ナノ粒子の凝集状態のプロセス技術の構築では、界面活性剤で覆われた粒径9nmの純鉄ナノ粒子をモデル粒子として用い、乾燥後、圧縮成型することにより粒子密度の高充填化を図った。その結果、体積充填率30~40%まで高充填化した高充填純鉄ナノ粒子集合体を数ミリ角で作製することに成功した。純鉄ナノ粒子は集合体内で自己組織化的に配列しており、その保磁力は磁気的に孤立した純鉄ナノ粒子分散溶液に比べ小さく、高充填化により磁気的にソフト化することを初めて見出した。これは純鉄ナノ粒子間で働く強い磁気双極子相互作用に起因するものと考えられる。
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Research Products
(5 results)