Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正宏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80355932)
大瀧 雅寛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (70272367)
礒田 博子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00375429)
木村 克輝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10292054)
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Research Abstract |
2009年度はシステムを構成する要素技術に関する研究を主に実施した.以下にその概要を記す. (1)要素研究-1し尿処理:コンポストトイレの水分蒸発能力と供給空気の温度,湿度の関係を求める方法を開発し,供給水分量を基礎とした,コンポスト型トイレの設計法を確立した.次にコンポストトイレの低コスト化の方策として,手動撹拌,無加温型コンポストトイレの試作を行った.良好な糞便分解を確認した.ただし,撹拌翼の構造については,継続した研究が必要である.尿中医薬品の医薬品の低電圧電解処理の可能性を検討するため,リン酸バッファ中にて,の医薬品について電解処理特性をサイクリックボルタンメトリー(CV)により測定し,かつ医薬品の電解酸化特性を測定した.その結果,1.5V以下の電圧で医薬品の処理が可能であることが示された. (2)要素研究-2雑排水処理再利用技術:分散型システムでは,排水の流量と水質変動が著しいが,処理システムを簡略化するために流量調整槽を設けず,かつ,ポンプを用いない膜分離型生物反応層の処理特性を検討し,界面活性剤を含め,所定の処理水質が得られることが確認された.自然流下方式+流量調整槽無しで運転する傾斜土層法の処理特性を検討し,病原微生物除去,界面活性剤除去に必要な装置設計法開発に必要な基礎数値を得た. (3)要素研究-3微量汚染物質モニタリング:HSP47及びHSP90β遺伝子導入細胞作製の結果、それぞれ10Line以上の「HEK293-HSP47細胞」、「HEK293-HSP90β細胞」、「Caco-2-HSP47細胞」、「Caco-2HSP90β細胞」の作製に成功した。さらに、作製した各Line細胞においてLPS処理による細胞ストレス反応を確認した。微量汚染物質のモニタリングの可能性が示された. (4)要素研究-4衛生学的管理手法:コンポスト中での微生物の損傷レベルを異なる3種の培地にて測定した結果,膜損傷や特定酵素の損傷のみといった半致死的な不活化は生じておらず,全て致命的な損傷が与えられれていることが確認された.また,微生物の濃度減少を左右する因子として既に知られている温度と含水率以外の因子としてコンポスト中に共存する微生物の存在や,共存物質の影響について検討した. (5)実証実験:インドネシアにおいて,コンポスト型トイレを試作し,運転を開始した.
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