2013 Fiscal Year Annual Research Report
気孔孔辺細胞における光情報のイオン輸送への変換機構
Project/Area Number |
21227001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 研一郎 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00124347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 俊則 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50271101)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気孔 / 光情報伝達 / フォトトロピン / 細胞膜H+-ATPase / イオン輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究により、フォトトロピンにリン酸化される新規キナーゼBLUS1がフォトトロピンの基質であることが示された。これまで、植物の光情報伝達系でその初期過程が再構成された例はないので、試験管内での再構成を試みた。それぞれの、組み換えタンパク質にGSTタグをつけ大腸菌に発現させた。フォトトロピンは多くの分解産物を生じたが、組み換えタンパク質の精製に成功した。BLUS1は分解産物もそれほど生じず、比較的容易に精製できた。この2者を試験管に入れ、光照射を行った。その結果、赤色光には応答しなかったが青色光によりBLUS1のリン酸化が起きた。このリン酸化はキナーゼ阻害剤で抑制された。一方、フォトトロピンのキナーゼドメインとBLUS1を発現させると、光を照射しなくてもBLUS1のリン酸化が起きた。以上の結果は、フォトトロピンの初期情報伝達過程の再構成に成功した事を示している。 一方、この情報伝達系の末端には細胞膜H+-ATPaseが存在し、気孔開口の駆動力を生じている。孔辺細胞には細胞膜H+-ATPaseのすべてのイソ酵素(11)が発現しており、どの酵素が中心的役割を果たすか全く不明である。熱画像解析により、気孔の青色光応答を欠いた変異株を解析中に、細胞膜H+-ATPaseに変異が起こり、気孔が開かなくなったものを選抜した。この変異株を詳細に調べたところ、AHA1に変異が起きており、この酵素がタンパク質レベルで分解されていた。そこで、AHA1のT-DNA挿入株を取得し、その気孔開口を調べると同様に気孔が開かなかった。しかし、孔辺細胞に発現の予測されるAHA2やAHA5のT-DNA挿入株では、気孔の開口は抑えられなかった。以上の結果は、気孔の開口にはAHA1が主要な役割を果たしている事を示している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(58 results)
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[Journal Article] TWIN SISTER OF FT, GIGANTEA, and CONSTANS have a positive but indirect effect on blue light-induced stomatal opening in Arabidopsis thaliana.2013
Author(s)
Ando E, Ohnishi M, Wang Y, Matsushita T, Watanabe A, Hayashi Y, Fujii M, Ma JF, Inoue S, Kinoshita T
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Journal Title
Plant Physiology
Volume: 162(3)
Pages: 1529-1538
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 光に対する気孔開口の多様性2013
Author(s)
北川裕基,大岩本康平,土井道生,島崎研一郎
Organizer
日本植物学会第77回大会
Place of Presentation
北海道大学・高等教育推進機構(北海道・札幌市)
Year and Date
2013-09-13 – 2013-09-15
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