2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21227007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 正幸 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (40114706)
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Keywords | 遺伝学 / 発生・分化 / 減数分裂 / 情報伝達 / RNA |
Research Abstract |
本年度大きな進展のあった2点につき述べる。(1)分裂酵母で減数数分裂に必要とされる主要な遺伝子のmRNAにはそれらの分解を指示する領域(DSR)が組み込まれており、栄養増殖時には「選択的除去」と名づけたメカニズムによって細胞から除かれている。ヌクレアーゼ複合体エキソソームがこの分解を実行するが、分解のためには標的mRNAの3'末端のポリA配列が重要であることを予備的に見出していた。今回、DSRを認識するRNA結合タンパク質Mmilpと複合体を作るタンパク質として、ポリA結合タンパク質Pab2pを同定した。さらに、このタンパク質が選択的除去のためのエキソソームの活性化に不可欠の役割を持つことを証明した。標的mRNAのもつポリA配列が果たす役割の一つは、Pab2pを呼び込むことであると考えられる。(2)選択的除去を受ける標的mRNAの中に、モータータンパク質ダイニンの軽中鎖をコードするものが含まれることを見いだした。対応する遺伝子の破壊を行うことにより、ダイニン軽中鎖が、すでに解析された重鎖と同じく、減数分裂時に見られる核の周期的往復運動に必要とされることが明らかとなった。ダイニン軽中鎖がなくてこの往復運動が起こらないと、減数分裂時相同組換えの頻度が大きく低下し、減数分裂を正しく完了できない細胞の割合が増加した。今回新たに同定された軽中鎖と、既知のダイニン重鎖、中鎖、軽鎖、およびダイニンと緊密に相互作用するダイナクチンのサブユニットが、どのようにアセンブリーして微小管上でモーター活性を発揮するかを解析し、モデルを提唱した。
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Research Products
(6 results)