2012 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞の性分化と精子幹細胞の維持を支える分子機構
Project/Area Number |
21227008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
相賀 裕美子 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / 性分化 / Nanos2 / Smad4 / Smad2/3 / Dnd1 / Soh1h |
Research Abstract |
Nanos2の上流に関して、我々は昨年度、FGFの下流でTGFbが機能して生殖細胞の雄性分化を誘導すると結論づけた。このTgfbシグナル経路に関する情報を得るため、Smad4の条件付き変異体をアメリカから導入し、クリーンアップ後SPF化して解析を行った。雄の生殖巣でSmad4をE11.5日以降にノックアウトしE14.5及び器官培養後に解析した。その結果、確かにNanos2の発現は抑制されるが、その効果は不完全であり、また減数分裂の誘導も非常に効率が悪いことが判明した。このことから、Nodal/ActivinシグナルはSmd4以外の経路で機能している可能性が示唆された。そこでSmad2/3の条件付きノックアウトマウスの解析も行った。非常に興味深いことに、Smad3ではなく、Smad2のノックアウトによってnanos2の発現は顕著に低下することが明らかになった。またP38経路が主にレチノインサン経路を抑制することにより、雄性分化を制御することも判明した。 Nanos2の下流に関しては、Nanos2と直接相互作用する因子Dnd1の条件付きノックアウトマウスの解析を行った。生殖細胞が生殖巣に入った後にDnd1をノックアウトするとNanos2の変異体と酷似した表現型が得られた。現在詳細な遺伝子発現及び、標的RNAの解析を行っている。 また精子幹細胞の維持機構に関してトランスジェニックマウス及びGS細胞を用いた解析を進め、Nanos2はSohlh1/2の発現制御を介して幹細胞の分化を抑制している可能性が示唆された。また精子形成過程でERKシグナルがセルトリ細胞及び精子幹細胞で活性化しており重要な機能を持つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
変異マウスの解析により、性生細胞の雄化のみならず雌化に関わる分子機構が明らかになってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
多くの成果がでてきているが、よい論文として発表するためのデータの採取に時間がかかっている。特に変異体マウス胚の生殖巣から生化学的実験に使用できるサンプルを採取するために、数カ月を要している。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Posttranscriptional Regulation of Histone Lysine Methyltransferase GLP in Embryonic Male Mouse Germ Cells.2013
Author(s)
Deguchi K, Nagamatsu G, Miyachi H, Kato Y, Morita S, Kimura H, Kitano S, Hatada I, Saga Y, Tachibana M, Shinkai Y.
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Journal Title
Biol Reprod
Volume: 88
Pages: 36
DOI
Peer Reviewed
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