2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21228003
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 稔 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 主任研究員 (80191617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 真一 独立行政法人理化学研究所, 中川RNA生物学研究室, 准主任研究員 (50324679)
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Keywords | スプライシング / イントロン / 転写 / 核-細胞質間輸送 / 非コードRNA |
Research Abstract |
抗癌剤候補化合物として発見されたFR901464を改変して作成した安定誘導体Spliceostatin A (SSA)はスプライシング因子複合体SF3bに結合してスプライシング反応を阻害し、その結果pre-mRNAからタンパク質が合成され、イントロンの配列の翻訳を引き起こす。スプライシング阻害とイントロン配列翻訳のメカニズムを明らかにするため、in vitroスプライシングに対する効果を詳細に調べたところ、U1、SF1、U2AFなどが結合するE complexの形成には影響がなく、SF1とU2が入れ替わってA complexが形成されるステップで阻害が起こっていることがわかった。また、スプライシング阻害の程度は、イントロン内のBranch point配列に依存していることも明らかになった。さらにイントロン内にMS2配列を導入したプローブを用いたイメージング法によっても同様の結果が得られた。次にSSAの標的分子であるSF3bによって安定性が制御されていることが示唆されていた非コードRNAのXistの局在を制御する分子を同定するために、RNA結合ドメインを持つタンパク質に対するカスタムsiRNAライブラリーを作製し、特定の遺伝子をノックダウンした細胞におけるXistの局在を調べた。その結果、hnRNP Uというタンパク質がXistの染色体上への局在に必要なこと、hnRNP Uの機能がXistによって制御されるX染色体の不活性化に必須であることが明らかとなった。また、新規核内ncRNAであるGomafuの結合タンパク質の同定に関する研究も行い、スプライシング因子SF1と結合していることも明らかにした。
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Research Products
(9 results)