2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21228003
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 稔 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 主任研究員 (80191617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 真一 独立行政法人理化学研究所, 中川RNA生物学研究室, 准主任研究員 (50324679)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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Keywords | スプライシング / イントロン / 転写 / 核-細胞質間輸送 / 非コードRNA / エピジェネティクス / 転写終結 / マイクロRNA |
Research Abstract |
抗癌剤候補化合物として発見されたFR901464を改変して作成した安定誘導体Spliceostatin A(SSA)はスプライシング因子複合体SF3bに結合してスプライシング反応を阻害するとともにイントロン配列を持ったpre-mRNAの核内繋留を阻害することにより、pre-mRNAの翻訳を引き起こす。しかし、核内繋留阻害の分子機構は不明であった。すでに我々はSSAによって核内非コードRNAの一つであるMALAT1が転写途中で潜在的なポリAシグナルからポリA付加を受け、細胞質に輸送されることを見いだしていた。興味深いことに、この潜在的ポリAシグナルに変異を導入するとMALAT1のRNAは核内にとどまったことから、ポリA付加が核外輸送に関わることが示された。さらにこの時のMALAT1のRNAからスプライシング因子の一つであるU1 snRNPが解離することが明らかになった。U1 snRNPはスプライシングだけでなく、イントロン中に存在する潜在的ポリAシグナルからのポリA付加を阻害すると考えられている。そこでポリAを含むシーケンスリードをゲノムにマップしたところ、SSAによるポリA付加は一部のmRNAのイントロンでも頻繁に起こっていることが明らかになった。さらに細胞質に輸送されたイントロン配列とポリA付加が生じたイントロン配列を比較すると有意に両者は相関していた。以上の結果は、SSAによって誘導される一部のpre-mRNAの細胞質への輸送と翻訳に、イントロン中に生じる未成熟ポリA付加が関与することが強く示唆された。また、SSA処理によって蓄積したpre-mRNAは核内スペックルに濃縮されることがわかっていたが、これと相関してU1 snRNAも核内スペックルへの濃縮が観察された。その結果、転写部位におけるU1 snRNAの量が低下し、ポリA付加抑制の解除が起こった可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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