2009 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェント人工核酸を搭載したナノDDSによる革新的分子標的治療薬の研究
Project/Area Number |
21229002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (10170672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原島 秀吉 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (00183567)
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 講師 (30315080)
永次 史 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90208025)
新藤 充 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40226345)
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Keywords | 核酸医薬 / 薬物送達 / 2型糖尿病 / 疾患モデルマウス / ミトコンドリア / 機能性人工核酸 |
Research Abstract |
本研究では、核酸医薬発展のため、遺伝子応答性インテリジェント人工核酸を搭載した臓器特異的ナノDDSを合成し、疾患モデル動物での機能検証を経て、疾患関連mRNAおよびmiRNAを標的とするナノ分子標的治療薬の創製を目指す。平成21年度は各グループにおいて次のような結果を得た。 佐々木グループ:従来よりも遥かに高効率の官能基転移人工核酸を見出した。また、従来よりも30倍以上も反応速度が向上したクロスリンク人工核酸分子を見出した。野村グループとの共同により、細胞を用いた実験においてmiRNAを標的とする人工核酸の設計とその機能評価系を確立した。 永次グループ:チミジンに対して中性条件下、非常に効率的に反応する誘導体の合成に成功した。さらに、糖部2'位を修飾した誘導体を含む2'-OMeオリゴヌクレオチドが中性条件下チミジンに対して非常に選択的に反応し、佐々木グループとの共同研究により試験管内において高いアンチセンス効果を示すことを明らかにした。 新藤グループ:ミトコンドリア内膜のアデニンヌクレオチド輸送担体(ANT)機能阻害剤ボンクレキン酸類縁体の合成系を確立した。原島グループとの共同研究で、強いアポトーシス阻害活性を明らかにした。 野村グループ:ミトコンドリアダイナミクスを規定するDrp1を膵β細胞特異的に欠損したマウスはグルコース応答性インスリン分泌不全を呈することを明らかにした。miR-375結合配列を持つルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとした予備実験の結果、佐々木グループとの共同で、miR-375を標的としたクロスリンク核酸による内因性miR-375の抑制が確認された。 原島グループ:2型糖尿病モデル動物の血液細胞、肝臓、脂肪組織、骨格筋の網羅的遺伝子発現解析により、病態発症に関連する候補遺伝子群の探索に成功した。また、九大・新藤グループの開発した抗アポトーシス作用のあるミトコンドリア(Mt)作動薬ボンクレキン酸(BKA)を搭載したMITO-Porterの開発に成功した。培養細胞にBKA搭載MITO-Porterを添加して、抗アポトーシス効果を評価したところBKA単独添加のアポトーシス抑制効果を著しく増強させる事が確認された。 以上のように各グループの検討課題はそれぞれ大きく進展し、グループ間の共同研究も順調に実施された。
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Research Products
(43 results)