2009 Fiscal Year Annual Research Report
電位センサードメイン蛋白群を基盤とする新たな膜電位シグナルの解明
Project/Area Number |
21229003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡村 康司 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (80201987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30392038)
大河内 善史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90435818)
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
藤原 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20532980)
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Keywords | 電位センサー / プロトン / 膜電位 / ホスホイノシチド / 生体膜 |
Research Abstract |
本年度、主に下記の3つの研究を行った。 (1) 電位センサードメイン蛋白の機構と複合体の分子基盤の解明:VSOP1の細胞内領域を大腸菌発現系を用いて、CDスペクトル解析、遠心分析、ゲル濾過解析を行った結果、コイルドコイルドメインを含む細胞内領域だけで、ダイマーを形成できることを明らかにした。対合する疎水性アミノ酸を数カ所変異させると、このダイマー形成は見られなくなった。これらの変異を導入したVSOP1では、電流の活性化の立ち上がりの遅れが、C末端細胞内領域全てを欠失させた場合と同様、見られなくなり、コイルドコイル領域のダイマー形成により、チャネルのゲート機構が制御されることが示唆された。NADPHオキシダーゼサブユニットとVSOP1との直接結合の可能性を検討するため、tsA201細胞を用いて免疫沈降実験を行い、直接結合が示された。条件により結合が見られない場合があり内在性に存在するNADPHオキシダーゼサブユニットの関与などを想定した実験を行っている。 (2) 膜電位プローブの改良:Mermaidの電位センサー領域を改変し、膜電位閾値や活性化速度の異なるプローブを得た。Mermaidを心筋細胞に発現させた魚を岡崎統合バイオサイエンスセンター東島准教授と協力して作成し、計測を行い、リアルタイムでの拍動に応じた膜電位の広がりを捉えた。 (3) 遺伝子改変マウスの作成:既に崎村研で作成に成功したVSOP1のloxPマウスを用いて、複数のCreマウスと掛け合わせを行い、解析が先行しているgene trapマウスとの比較を行うための完全ノックアウトマウス(CAG-cre-loxP)や、顆粒球特異的ノックアウトマウスの作成を行っている。VSP-B6コンディショナルノックアウトマウスの作成を行うためターゲットベクターの作成を行った。VSOP2単純ノックアウトマウスは、作出したキメラマウスから変異が生殖系列に伝達することを確認した。
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Research Products
(16 results)