2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21229005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武藤 誠 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70281714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 正博 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60362464)
北村 剛規 京都大学, 医学研究科, 助教 (10378622)
園下 将大 京都大学, 医学研究科, 助教 (80511857)
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Keywords | 消化器癌 / 転移 / マウスモデル / 未分化骨髄球 / Notch |
Research Abstract |
1.大腸癌細胞の転移を水先案内する未分化骨髄球の研究 未分化骨髄球(iMCs)の系譜を位置づけるには細胞内のtranscriptome解析が必須であるが、これらの細胞集団は均一とは限らないので、FACSで得られたCD34^+CD31^-の骨髄球全体ではなく個々の細胞に由来するcDNAを個別にmicroarrayで解析し、そのデータをクラスター解析して代表的な細胞集団のtranscriptomeを得る必要がある。本年度は本研究科斎藤通紀教授の支援の下で予備実験を行い、個々の段階の精度改善を試みた。また、ヒト大腸癌の転移におけるiMCsの役割を明らかにするため、5種類のヒト大腸癌細胞株をヌードマウスに移植したところ、HT29の転移巣にはiMCsが効率よく集簇し、LS174Tの転移巣も若干の集簇を示すことが分かった。 2.癌細胞の転移を制御するAesとNotchシグナルの機構解明 我々はこれまでに、Apc変異マウスの腸上皮特異的にAesノックアウトを導入すると、Notchシグナルが活性化される結果、腸腺腫の局所浸潤や血管内侵入が誘発されることを示した。本年度は、腸腫瘍の悪性化進展におけるNotchシグナルの影響を評価するため、iMCsにより腸腫瘍の局所浸潤が促進されるApc/Smad4複合変異マウス(上記)と腸上皮特異的Aesノックアウトマウスとの交配を行った。Apc/Smad4/Aes複合変異マウスでは局所浸潤の深逹度がApc/Smad4複合変異マウスに比べてより深くなっていたことから、iMCsにより引き起こされる局所浸潤がNotchシグナル活性化によって更に促進されることが分かった。また、転移能の異なる三種の前立腺癌細胞株でのAesの発現を調べたところ、転移能とAesの発現には逆相関が見られ、大腸癌のみならず前立腺癌においてもAesが悪性化進展を抑制している可能性が示唆された。
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Research Products
(25 results)